「アリウム」
1A
誰かがそっと呟いた
「あなたが向かっている場所は戻る事も何も出来ないそんな寂しい場所なんだよ。」
また、誰かが呟き始めた「本当にそれでいいの?」かと
私はもう疲れたんだ、このまま静かに眠らせて。
1B
愛した人は、もう傍には居ない裏切られ、心は崩れた。
生きる意味、生きる価値なんてものは、もう薄れていた。
1C
枯れ果てた大地に水滴一粒、落ちた所で何も変わりはしない。
一人一人に宿る心だって同じなんだ傷は塞がらない。
言葉は凶器なんだ。
2A
赤く染まった布一枚あなたと私を包んでた
隣で誰かが呟いた「これが望んだ未来なの?」かと
思い描いた話をしよう、とうに忘れてしまったけれど。
あの日々が懐かしいなもう一度だけ戻りたいな
2B
「もう、戻ることなんてできないよ」
猫が横切った。
2C
悲しみが生まれない世界が欲しいよ
誰も傷つかないそんな世界でも良い。
ねぇ、そこにいるんでしょ?見ているのでしょう?
叶えてよ、私の願いを
どうして応えないの。
D
絶望に飲まれて苦しんで
あなたを殺して私も死ぬんだ
それで全て丸くなるから
さぁさぁ笑いましょう。
二人きりだけの世界なんだ
夜が開けるまで踊り明かしましょう。
あなたの冷えきった手を私は握っていた。
E
悲しみが生まれない世界が欲しいよ
誰も傷つかないそんな世界でも良い。
ねぇ、そこにいるんでしょ?見ているのでしょう?
叶えてよ、私の願いを
あぁ、神様…
枯れ果てた大地に水滴一粒、落ちた所で何も変わりはしない。
一人一人に宿る心だって同じなんだ傷は塞がらない
言葉は凶器なんだ。
もう死んだんだ。
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