東の果ての街 off vocal

korpendo

東の果ての街

何年も前の物語
旅人は歩き続けた
太陽の昇る方へ

目指している場所はなかった
何かを探していた訳でもなかった

数えきれない昼と夜を超えて
吹き荒ぶ風、降りしきる雨
一時凌ごうと伸びた枝の下
太い幹に力なく身体を預けた

醜い言葉、心
もう聞き飽きた
もう見飽きた
ただ逃げ出したかった
過去の自分を全て捨て去って

雨露凌ぐ小屋の周りに道が、そして家が
こうして生まれた大きな木を囲む東の果ての街

何年もの日常が流れた
土を耕し種を蒔き
波打つ黄金色の実り

大国の意思は肥沃な土地を見逃さない
独立の誇りを許さない

平和な街の歴史は今日で終わる
欲望を目に宿した乱入者
街の大木は切り倒されて
家々を打ち壊す音が木霊する

散り散りに逃げる人
生まれ育った故郷を諦めたとしても
生きることは諦めてはいない

ここが果てだと言うならば
さらにその果てへと向かおう
太陽の昇る処で平和な街を再び築こう