【結月ゆかり】手のひらの雛【オリジナル】
春の雨、龕灯の火を消した
夜の手が首元に触れている
諦めの憂鬱に身を任す
最果ての夢はもう見えなくて
声が響く、路地裏の向こうから
泥の中引きずり込む誘い
飽きもせず僕はまた落ちていく
そうだ今日はもう始まっているのさ
苦し紛れの毎日に花束を
手と足のない手のひらの上の雛
廃棄物の中綺麗な空を見ている
君の両目が少しづつ曇ってゆく
逆さまの二人 鏡合わせ
透明な水 飛沫 反射した
花吹雪が舞う春の風の中で
日差しに包まれ
逆さまの僕ら笑って手を振った
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