月が廻る或る世界
そこは神様が支配する国
喜び悲しみ全てを神に捧げ
依存性の安らぎに満ちた世界
我々は小さな存在である
水が流れるように、花が枯れるように
神の意思に逆らうこと勿かれ
神の意図に疑念を抱くこと勿かれ
全てを神に委ねて始めて
我々は全てを許されるのである
為すがままの駒に一切の罪がないように
全ては神の赴くままに
全ては神の導くままに
この国の中央には、人の賑わう街も王が暮らす城もありません。そこに在るのは高い塔です。塔の最上階には神様がいて、私達を見守ってくれているのです。今、君達が人として生まれて此処にいるのも、先生が先生になって皆の前でお話をするのも、校庭で桜が咲くのも、春が暖かいのも、全て神様のお導きのおかげです。だから皆、神様の声にしっかりと耳を傾けてね。神様の声は美しい鐘の音で、それは星の瞬く夜に聴こえるはずよ。
挨拶当番が号令を掛け、声を揃えてさよならをした生徒達は我先に教室を後にした。
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