妬け付いた喉を潤すのは、海へ、海へ還ろうと。
夜が明けて陽が沈んだ二度目の孤独は、深淵よりも底に。

大地の鼓動を聞く。打ち寄せる波の隙間から君を拾い集める。
愛してる。そう、愛している。

世界が僕を恨んだように、僕も世界を全てを恨んだ。
君はこの世界を愛した。ただそれだけで僕は満たされていた。

さよなら、もう二度と逢えないよ。
君の繋ぐ左手が辛うじて僕に、この世界を愛させようと。
大きなお世話だ、なんて今更。何で今更。
二人だったから、今を孤独と呼ぶんだね。
だって僕はあの頃、ちっとも悲しくなんか、ちっとも寂しくなんかなかったのに。

細波を歩く。一人きり。
ねえ世界よ、どうして愛してくれなかったのですか。

握りしめた指先から砂は零れ落ちて、夜空に浮かぶ星座になった。

羊よ羊、海に還れ。月が満ちるまでさよなら。
僕はそのゆりかごで少し休ませてもらう―――おやすみ、良い夢を。
君のゆりかごへ。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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鼓動


実はBUCK-TICKが好きでして。音も言葉も好きで。
ボーカルの櫻井さんの写真を見た時に受けた印象の羅列。
知る人ぞ知るあの、海岸で魔王みたいな衣装着て撮ってるやつです。周りに見せたらセフィロス言われる……
まるで世界の全てを恨んだ男が、何が一つ愛してしまったが為に解脱できない、みたいな。
でもそれを失ったら再びこの世界を恨んでしまえるのかとかよく解らない方向に脳内が進んでいった結果がこれだよ……ああ

閲覧数:151

投稿日:2012/04/08 13:12:39

文字数:406文字

カテゴリ:その他

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