う「どうも、うさ吉です」
へ「へび子です」
う「二人合わせて」
う「うさ吉へび子です」へ「キューティーへび子です」
う「え?今なんて?」
へ「うさ吉へび子でしょ?」
う「うん、そうなだけど。今全然ハモって無かったような気がしたんで」
へ「それまるでうちが悪いみたいじゃんな。始まったばっかりで気悪いわ」
う「いや。そうじゃないんだけど。でも出だしからグダグダになるのは縁起が悪いんでもう一回ろ」
へ「しゃーないなあ」
う「どうも、うさ吉です」
へ「へび子です」
う「二人合わせて」
う「うさ吉へび子です」へ「ビューティーへび子です」
う「……絶対に違うこと言ってるよね」
へ「言ってないって。自分がタイミング合ってないだけやん」
う「じゃあ泣いても笑ってもこれが最後ね」
へ「ちゃんと合わせてよ」
う「どうも、うさ吉です」
へ「へび子です」
う「二人合わせて」
へ「セクシーへび子です」
う「全然違うじゃん!」
へ「てへぺろ」
う「長い舌を出さない。えー、こんな僕らですけど、皆さん名前だけでも覚えて帰ってくださいね」
へ「覚えて帰ってくださいって、誰に言うてん?」
う「そりゃもちろん僕らの漫才聞いてる皆さんですよ」
へ「聞いてる人みんな家やん。うちら誰もいない部屋での収録やで」
う「そういうムード壊すこといわない。僕らの目の前にはたくさんのお客さんがいるんです」
へ「えーほんまに。マジで」
う「マジで」
へ「やっぱり。見る目あるわぁ」
う「あの、誰に喋ってるの?」
へ「誰って聞こえへんの? みんなうちんことかわいいって言ってくれてんで」
う「まぁ都合のいい空耳だこと」
へ「何言うてるん。そんな大きい耳しとって何も聞こえんの?」
う「じゃあボクのことはなんて?」
へ「自分のことをなんでうちが聞かなきゃあかんの? 何でもかんでも人に頼ってたらピンでやっていけへんよ」
う「初回からコンビ解消の危機!?」
へ「どうせこんなん一回きりやて」
へ「脚本内からむりくりネタをひねり出した」う「わーーわーーー!」
へ「なんやねんもう」
う「メタな話は禁止!」
へ「ええやん。本編とは何も関係ありませんって注釈付けとけば」
う「そういう問題じゃないから! ボクのアイドル人生ここで終わるから!」
へ「芸人が何いうてんの」
う「ボクはアイドル!」
へ「ね。うちの相方って時々変なこと言うんですよ。温かい目で応援したってください」
う「…………」
へ「そんなことよりあれやりましょあれ」
う「あれってどれ?」
へ「あれったらあれや」
う「だからどれ」
へ「ネタやネタ」
う「そんな漫才の入り方あり!?」
へ「ベッタベタな漫才なんて今時流行らんて。どうせお客さんだって漫才だって知ってて聞いてるんやから」
う「やるってなにやるのさ」
へ「ボイドラらしく劇やろう」
う「たとえば?」
へ「せやなぁ、かわいらしく赤頭巾とか」
う「誰が何の役?」
へ「そりゃもちろんうちが赤頭巾。うさ吉さんが狼」
う「僕が食われる役じゃないんだ」
へ「何あほなこと言うてんの。男はみんな狼やて昔のアイドルも歌っとったやん」
う「そのネタ知ってる人ほとんどいないよ!?」
へ「じゃあ赤頭巾がお見舞いに来たところからはじめよ」
う「わかった」
へ「ほないくで。ねえおばあさん、おばあさんの耳はどうしてそんなに大きいの?」
う「赤頭巾の声をよく聞くためだよ」
へ「嘘やん」
う「嘘じゃないよ」
へ「おばあさんの耳が大きいんは遠くで落ちた小銭も聞き逃さんためでしょ」
う「どんだけがめついばあさんなんだよ!」
へ「ねえおばあさん、どうしておばあさんの目は小さいの?」
う「お前をよく見るため……あれ?」
へ「おばあさん老眼だから目細めなきゃ見えへんもんね」
う「そ、そうだよ」
へ「ねえおばあさん、おばあさんの口はどうして大口を叩くの?」
う「単なる悪口じゃねえか! どんな赤頭巾だよ」
へ「じゃあ他の劇にしよ。お菓子の家の話」
う「ヘンゼルとグレーテルだね」
へ「そうそれ。うちがヘンゼル・ト・グレーテル」
う「その発音だと兄妹が一人の人間に聞こえるよ」
へ「うさ吉さんが魔法使い」
う「うん」
へ「行くで」
う「ちょっと待って待って。どこから行くの?」
へ「ヘンゼル・ト・グレーテルが腕を差し出すところ」
う「ずいぶんと細かいなぁ!」
へ「だってお菓子の家以外全然知らんもん」
う「うまくいく気が全くしないんだけど!」
へ「行くで」
う「行くんだ!」
へ「魔女の台詞から」
う「いきなり!? えーっと、少しは太ったかい?」
へ「うち女の子やで。そんな太るとかありえへんわ」
う「細かいことはいいから腕を見せてごらん」
へ「しゃあないばあさんや。ほら」
う「どれどれ」
へ「ちょ、どこ触ってんの!」
う「へ?」
へ「それ尻尾や!」
う「何で尻尾を出した!?」
へ「へびに手足があるわけないやろ!スケベ!ほんまにもうアンタとやってられんわ」
う「それボクのオチの台詞!」


ばたん(ベッドから落ちる音)

う「ゆ、夢オチ・・・・」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

ボイドラボツ脚本

構想10分、製作時間2時間の脚本。しかしおとなの事情により日の目を見ることがなくなった。
仕方ないのでひっそりと投稿
家長からぼろくそ言われたけれど気にしない
だって脚本家じゃないもの

閲覧数:73

投稿日:2013/06/05 23:55:12

文字数:2,097文字

カテゴリ:その他

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