Trick or Tears_Off_Vocal【そともぎ】【天束】

夕立の後、夜の帳が下りる頃
紅葉に寄り添う月の涙を眺めてた
その紅葉は魔女の城への招待状
不気味な鐘の音が怪しく僕を呼んでいた

薄暗い迷路の森で
恐る恐る進むと
騒ぐ木々に手招きされて
ゆっくり扉を開けた

ここは今日だけの秘密の世界で
誰も邪魔なんてできない
お菓子を配ろう、みんな踊ってる
ここでは君だけが主役なんだ

枯葉が奏でる月夜のステージで
君のイタズラで笑おう
みんな考えてる 真っすぐな気持ちで
この１日だけのイタズラを


遊び疲れて
星屑舞うバルコニーで
ぬるい紅茶で 冷えた両手を温めた
空っぽのグラスに星空注いで
映り込んだ顔は少し嬉しそうだ

迷路の森を見下ろしながら
いつかの自分を見た
「こっちにおいで」と呼びたくなって
鐘の音 届けに行くよ

ほら、もう夜が明けてく
この時間も終わるようだ
でも僕らのこの瞬間は
終わらせない

踊り続けよう
魔法が解けるまで
日が昇りきるまで
消えるまで
たとえ儚くても
確かにここにいるよ
そっと消えてしまっても忘れない

歌い続けよう
月夜のステージで
声が枯れるまで
消えるまで
この瞬間を覚えていられるように
とびきりの「イタズラ」を見ていてね

「これは可愛いお嬢さん
　夜の魔法は解けたのかい？」
「あら、素敵なお嬢さん
　もう寝る時間じゃないの？」
「君ともっと遊びたいな。
　またイタズラしにこないかい？」
「まあ、嬉しいわお嬢さん
　鐘が鳴ったら歌いましょ」