なびかせる 風に吹かれた 目に留まる 長い髪
あの方の 指に絡める ことが出来るなら
揺れ動く この簪を この胸に抱きながら
夢にまで 見たあの夜を 忘れないように

囁いた 言葉に 酔いしれ いとも簡単に 籠の鳥
貴方に響くこと ないと知って 尚 涙をながすのよ

騙し騙され 恋時雨 貴方のことが恋しくて
笑い会えたらまたおいで この気持ちはまた会うときね
この世に君さえ居なければ 心穏やかに過ごせるでしょう

おしとやか されど妖美に 振る舞い 寂しめば
憂い目で 触れる 手に 頬埋め 目を閉じる

囁いた 言葉で 全てを いとも簡単に 奪うの
今日の 瞳に 映る ものは私ではないのでしょう？

騙し騙され 恋時雨 貴方のことが愛しくて
悲しみのただ裏返し この気持ちは留めましょうね
この世に貴方が居なければ 心穏やかに眠れるでしょう

(身も心も全て、帰らぬと知りながら、それでもなお…）

(悲しくとも、辛くとも、貴方を想えるそれだけで…）

(募りきった寂しさも、永遠に届かずとも…）

(「愛してるだけで」)

囁いた 言葉は 全て 嘘だと思わぬが
心から想える人が 焼き付いているのでしょう？

私はあなただけなのに さぞ簡単に夢のごとく
代わりの身としても 全ては貰えぬ定めなのでしょう
花魁の街に雨が降れば 花は折りたし梢は高し