藍色の手紙
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あの本はどうなったのかな
すっかり忘れてたよ 紫陽花
この花を見るたび 思い出すよ
花弁を集める君のこと
ねえ、長靴はどこに直したっけ
クローゼットの奥ひっくり返してる
一段目の向かって右下だよ
片付けたのは僕だからさ
藍色が残ったメモ 読み返した
アスファルトの上 刻むステップ
カギが開く音が待ち遠しいや
ハナビラノカケラ 指で払う
ただいま。をあなたに言いたくて
少し早めに帰ることにする。
明日の僕よ頑張っておくれ。
窓の外がなぜか気になるな
先月は雨が少なかったな
すっかり忘れてたよ 雨音
夜の街の灯り乱反射
靴の中潜り込んだ雨
藍色の窓ガラス 鏡にする
寂しさ 指で誤魔化した
傘はないから今夜はズブ濡れで帰る
マエガミノシズク 指で払う
藍色の空を行く 僕の言葉
閉じかけた瞼 こじ開ける
藍色が溢れた(こぼれた) 夜を裂く
揺らぐ息の音 押し花の栞
鍵が開く音を待ち焦がれてた
一昨年の日記 絡む指先
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