例えば
”ワタシ”が知りえない”アナタ”のことを
”アナタ”が知りえない”ワタシ”のことを
証明するすべは　自分以外の何かの証言

”ワタシ”が”アナタ”が何者なのか
想像はただ　可能性のひとつ

シュレディンガーの猫が笑う
頭の中だけの迷路の中で
シュレディンガーの猫が笑う
届かない場所で猫が笑う

例えば
”アナタ”が現実だと思う何かが
目の前以外でもそのままで在るか
証明するすべは　誰かが発した不確かな情報

すべてが妄想・幻覚の類
その可能性の　反証さえもない

シュレディンガーの猫が笑う
事実と現実と真実の隙間
シュレディンガーの猫が笑う
姿も見えない猫が笑う

”ワタシ”が”アナタ”が”コレ”が”アソコ”が
本当にいるのかあるのかどうか
近くの後ろで知覚の外で
崩壊してても誰もわからない

シュレディンガーの猫が笑う
無数に分かれたつり橋の上で
シュレディンガーの猫が笑う
遠い暗がりで猫が笑う

シュレディンガーの猫が笑う
誰にも知られず猫が笑う