胸に残る陽だまりの熱を
誰にも渡したくは無かった

そのためにこの爪は、黒く土を掻く

わかってもらおうなんて思ってない
慰めてもらおうなんて思ってない

誰のことも
傷つけるつもりなんてないんだよ

僕が僕であるために
僕が僕とあるために
ただこれを守りたいだけ 帰れない
懐かしい匂い振り切っても
まだ帰れない
陽だまりの熱



指に触れる陽だまりの熱を
君にも伝えたくて伸ばした

そのためにこの声が、青く喉を裂く

返してもらおうなんて思ってない
嘆いてもらおうなんて思ってない

君のことを
傷つけるつもりなんて無いんだよ

僕が僕であるために
僕が僕とあるために
ただ今は祈りたいだけ 戻れない
狂おしい惑い取り巻いても
まだ譲れない
陽だまりの熱


どうかどうか
聞いて、どこかで
ささやかな願い 僕とある
どうかどうか
聞いて、彼方で
ひそやかな吐息 ここにある

どうかどうか
ああもうそこかしこに

拡がり溢れて満ちたりた


僕が僕であるために
僕が僕とあるために
もう腕は届かないだろ 聞こえない
やわらかな痛み消え去っても
まだ忘れない
陽だまりの熱

僕に宿る陽だまりの熱で
誰かを守りたくてつないだ

僕と行く
陽だまりの熱
ずっと行く
陽だまりの熱


ふわり解(ほど)けて満ち足りた

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  • 非営利目的に限ります

溶けた陽だまり

閲覧数:274

投稿日:2008/05/21 20:56:38

文字数:560文字

カテゴリ:その他

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