君に届けたいものは
優しい鍵のない窓

流れてくる朝露の香り
差し込むのは午後の木漏れ日
隙間からは舞い踊るそよ風
瞼を焼いて落ちてゆく残光

白の部屋が彩なされる
緑の記憶は一面に染め上げ
朱い侵略が緩やかに滲んでいく
藍の静止で身動ぎもせぬまま

時計の秒針は穏やかに音もなく円を描く
出口の無い盤上が永遠を刻む

しかしいつしか
空が見渡す限り銀の裏地に変われば
陽光は今際の際の瞬きとなり
雲は流れて振り返らず
風がカーテン絡げて透明の檻を叩く

ざわめく草花はなぶられるがまま
泣き喚く雨に打ちひしがれ
遠雷に裂かれた大気は悲鳴を上げる

それら全てを余所事のように無機質な鐘の音が響いた
歯車を巻き返せど時は還らじ砂は戻らじ

遠きにそびえる峰を舞台に
月明かりの下、星は夜を駆け
土の香立ち込める闇に満ち
冷えた石の上を名残の涙が流れてゆく

僕に遺されたのは
鍵のかけられた黒い鳥籠

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

窓辺より

初投稿になります。

イメージは病床の歌姫と寄り添う誰か。
声もあまり出せず、静かに歌っている風景。

そんなイメージだけが先行して書いたおかげでかなり歌い辛いかと…。
もしお使いになられる方がいらっしゃいましたら、どうぞお好きに改良して下さいませ。

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閲覧数:63

投稿日:2008/06/11 19:56:36

文字数:400文字

カテゴリ:その他

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