或る夏、随想
過ぎていった日々を思う度に
微睡む視界
校庭、蝉時雨、夏の匂い
移ろう花
はぐれ雲の憧憬
大事に抱き締めていたものほど
知らないうちに傷ついていた
言いかけて飲み込んだ 内緒の話
口にすれば楽になれるかな
ただ幼さ混じりの照れ隠し
今になって喉を刺したサイダー
あの日の恋のせいだ
普通になった日々を急かすように
流れる時代
目覚めた昼下がり 空いた缶ビール
縒れたスーツも様になったもんだ
追い越していく雲は遥か
昨日の僕に別れ告げた
描いてた将来なんて所詮絵空事
君も僕も思い出の中
思うほど強くもなれやしないな
弾けて溢れた涙
見上げた晴天を泳ぐ
クジラたちは自由だった
飲み干したサイダー
あの日の僕らの影が舞った
行き場のない感傷は
夏の熱に溶けていった
さよなら一つも言えなくて
言いかけて飲み込んだ「好き」の台詞
口にすれば笑えたのかな
ただ幼さ混じりの照れ隠し
今になって喉を刺したサイダー
あの日の恋のせいだ
分かってるよ 僕のせいだ
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