千の花火

似合わない髪型に不機嫌
歩きにくい下駄を鳴らして
ぶつかる肩に謝りもせずに
楽しそうに喋る

水の撒かれたコンクリート
ただジメジメするな帰りたいな
手を振る姿見つけたら
走ってつまづいた
「大丈夫？」て心配そうに
だけど私に触らないように
服の汚れ気にする私は

足を休めひとりぼっち
空を見上げ二人ぼっち
花火の後の静けさにときめいた


まぶた閉じて落とす火花千の花火と
湿る空気を　肌で感じた　

風が吹いて飛んだ涙濡らす胸元
二人きりで　忘れない夜に

乾いた靴は置いてかないで
月の明かりで涙乾かして

慰みなら満足したこれで踏み切ろう
触れる合図と　繋ぐ勇気を


閉じる口を開いて覗く
吐き出したがってるね言葉
拒否権なんてやめて　吐き出していいよ
嫌な事全部忘れてしまえばいいよ　きっと

まぶた腫らす夜に照らす月に合図を
二人きりで　二人きりで

重ねる夢口に出して確かめようか
二人きりで


夜に落とすノイズ混じる心の声も
君の合図で　拾い上げたら

声に出せば揺れて落ちる千の花火が
消えてしまう　 消えてしまう

歩み出すのは左足から
キスをする顔右に傾けて

拙い言葉並べては手を握りしめて
語る笑顔で