朝 街は緩やかに 死に絶えていく蛍の火
また いつもの幻燈に 騙されて今日も夜行性
冷たく透き通った屋上に ハルジオンがもう咲いていて
瞬きをやめて軋む覚醒の彼方
雨 予報に遅れて 渇ききらないアスファルト
まだ 琥珀の明滅が終わらない時間帯のラジオ
冷たく尖った環状線に 烏が虚しく啼いていて
輝きを取り戻す地平線の彼方
終わりに近づく僕の時計だけがいつの間にか針を止めて
煙草を燃やして濁る街はいつもと同じなのに
何も聞こえなくなるぐらいに煩くて 離れ過ぎて届きやしないよ
ママ、僕は飛行船に乗って
パパ、もう、そろそろ行かなくちゃ
鮮やかに僕の運命は 上書きされた羅針盤に添って
叶わないことは 疾うに分かってた
仄かな痛みは永遠に 涙も眩暈も現実なんだって
何もないままでもいいから 戻してよ
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