君がいた季節は全部春だった(オケ

君がいた季節は全部春だった

桜の季節が来るたび思い出すのは同じ光景で
薄手の紫カーディガンに
身を包んで本を読むその横顔に
「あぁ、恋をしたんだ」と気付くのはあっという間でさ
成り行き任せじゃ何も変わらないままだった

薄手のカーディガンがいらなくなる頃には
僕ら何時間もくだらない話してたっけ、
「あぁ、これが幸せだ」なんてのに気付くには
思ったより時間がかかったな
君が読んでた小説にはちゃんとそれも書いてたのかい？

花火が散った今日を越えて
飛沫が散った今日を越えて
君が消えてった季節を探すんだ 　
ああそうさそれは、どこにもいなかった
君がいた季節は全部春だった

桜の季節が終わる頃　思い出すのはいつも同じ顔
寂しそうな君に酷い言葉ぶつけてばかりでさ
こんなことが言いたいんじゃないって分かってるならやめろって
ほんとは分かってなかったな
素直な気持ちを大切にしていたかった

枯葉が舞った今日を越えて
初雪舞った今日を越えて
君が消えてった季節を探すんだ
ああそうさそれはここにもいなかった
君がいた季節はまだ見つからないんだ

雪が解けるのをずっと待ってたんだ
春風とともに君がまた薄手のカーディガンを
身にまとい　あのクスノキの下に…

桜が散った今日を越えて
想いが散った今日を越えて
君がいた季節はもうここには
ああそうさそんなことなど分かってた
君がいた季節だけが
僕にとって春だったんだよ

ああそうさ君はどこにもいなかった
君がいた季節は全部春だった