ジャケット

星躔(せいてん)を辿った手
彼の日、栞を挟んだ御伽話
結末が屹度、まだ待っているんだ

ありふれた言葉で
綴るモノローグも色褪せて仕舞う
嘘が様に成って征く

追い掛けた夢が過去に変わって
現実だけが私に残った
不甲斐無い命に馬鹿げた万歳
失う価値など端から無いわ

「応答セヨ」と世界が歌って
私は耳を塞いで仕舞った
似た者同士の孤独な讃頌
誰も応えてはくれないわ

夕焼けが過去を寫す空
悲しみを奪ってよ太陽
煤けた書架に眠る冒険譚
いつか夢見た幸福のイデア

もう二度と戻れない彼の日々も
暗涙に満ちた筈だった
消えて仕舞えば楽だろうなって
思う事くらい赦してはくれないか

拡声器は敢え無く
同心円の共鳴に掻き消されて
花めいたイコールに満ちているんだ

何時から泣いていたんだろう
記憶も薄らいで思考が去って仕舞う
ただ伽藍に成って征く

燈影、隔てた螺子巻の街
断頭台、手を振る少女
刻む秒針の囂しさが
厭に染みる高架下のピエタ

白を濁した零距離の弾丸が
劈(つんざ)く飾り文字のメロディ
妄りに失われた絢爛の
形象だけ此処に残してはくれないか

肯定が痛くて
憐憫を辿ったんだ
暗く後ろ向きな
世界が見捨てた言葉が救いだった

「応答セヨ」なんて
繰り返す許りの世界で
鈍感を覚えて征く
此の痛みは「正シクナイ」らしいから

ねぇ此の儘、私が生きて征く
苦しみに栞を挟んで
出会いの総てが煩わしいわ
さよならなんて、悲しいじゃないか

遠鳴り弥増(いやま)す、まほろばの街
晦渋(かいじゅう)に溺れた夜半に
霞む月光の弱々しさが
今も私を照らして仕舞うわ

不完全な世界の中心は
誰も居ない、何処か遠い街
馬鹿げた話だった
何時の間に言葉が失われたんだ?

子供騙しで良い、間違いでも良い
生きる理由が欲しかったのだ
今はまだ苦しいから
こんな醜い詩で泣いて仕舞うのです

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ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

ナーヴ/初音ミク off vocal

ナーヴ/初音ミク のoff vocalです。

閲覧数:164

投稿日:2023/08/21 16:02:05

長さ:02:50

ファイルサイズ:2.6MB

カテゴリ:カラオケ/インスト

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