写し身人形

Kamiyanagi

遠く遠く声が聞こえる
「君があの子の命を助けるんだ」

部屋の外へ出掛ける事すら
許されてないけど
このドアを開いたら
君に会える

同じ顔をしてる僕に
君はちょっぴり驚いた顔をしていたけど
鈴を転がすような声で
「独りぼっちで死ぬのは寂しすぎるから、
友達になって下さい」って笑った

二人きりの逢瀬を重ねて
すぐに僕は　君が好きになった

「ずっと二人で幸せに時を刻みたい」
ささやかな願いさえ踏みにじられる

僕が迷っているうちに
君の命の灯火が少しずつ消えてく

創り物の命だけど
出来れば君と共に生きていたかった

君を助ける為に生まれた
写し身

定められた運命に従う訳じゃない
君の事が誰より好きになったから

僕の時間を君にあげる
君の中で君と共に僕は生き続ける

僕の鼓動が聞こえるかい？
大好きだから最期に君に贈るラブソング

僕にも見せて欲しい　綺麗な外の世界を