片翼の天使と片羽の悪魔が囁いた。
文字通り、天使と悪魔の囁き。
完全に善ではない。
完全に悪ではない。
中途半端で、無責任な囁き。
その言葉の真偽も意味もわからずに
僕はその囁きに乗るのだろう。
天使も悪魔も、自分だと言うのに。
僕は不安定だ。
欠けたり満ちたりを繰り返す月のように。
でも月みたいに綺麗じゃない。
そこに有るだけで誰かを癒やすこともない。
じゃあ僕は月になりたいのかい?
人に愛され、見られる月に。
月になる意味はあるのかい?
誰にも届かない。月に。
月になれば、天使の囁きも、悪魔の囁きも
聞こえることはないのだろうか。
両翼の天使と両羽の悪魔が目の前に現れるとするのなら
僕はどちらのを取るのだろう。
堕ちる勇気も、昂がる勇気も無いくせに。
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