粋で達者な九州地方で頑張っていらっしゃる
と或る 89歳の黒光りのする 熱い 「鉄人」 のお話で御座いまする。


齢 (よわい) 八九歳にもなると流石に私 （わし) も
体の彼方此方にガタがくる年代になったもんじゃのう。」

「何をおぃしゃいますか。
まだまだ立派に働かれていらっしゃるでは御座いませぬか。」

「そうかのう ？ 二日前の九日には蒸気をコントロールする
マシンが不具合を起こして一時 「運転見合わせ」 なることになり
皆様方にはご迷惑をお掛けしたばかりじゃけんのう。」

「え～～と、確かにそうですけど、その時のマシントラブルは
思ったより深刻では無く、翌日は無事に働かれたではありませぬか。」

「う～～ん、そう言って誉めて頂くと何か 「こそばいい」 感じがして
恥ずかしいのう。」

「東北地方では 『奇跡の一本松』 が衰弱されているそうですけれど
八七歳でスペシャルリペアされて再登場を果たされた貴方が九州で
元気な姿を 『披露』 されることは、決して 『無意味』 では無いと
思われまする。」

「そう言ってもらえると少しは 『元気』 が戻ってきた様な気にも
なるもんじゃのう。もう暫らくの間、体を労わりながらＪＲ豊肥線の
『ハチロク』 として頑張って見るのも良いのかもしれんのう。」


JR九州の 「奇跡のＳＬ」と呼ばれている、JR豊肥線の 「ハチロク」 と
呼ばれている現役最古の蒸気機関車（ＳＬ）８６２０形を題材に
一寸した会話を考えさせて頂いたので御座いまする。

私はまだ SLに牽引された客車やトロッコ列車等に乗ったことは
無いので御座いまするが、皆様方は如何で御座いまするか ？