―――誰も知らないこの場所でめぐる物語・・・
さぁ、今夜は何のお話をしようか―――…
消えてゆく月 広がる暗闇
おもむろに心に響く その音こそ
我の眠りを妨げる音色であった
静かに目を閉じ 今を安らぐ
その時間までをも お前は奪うつもりなのか・・・?
少しあった月明かりが恋しいのだ
少しあった星々が恋しいのだ
闇ばかりの世界では 安心できぬ
ああ いつになれば我は体を休めれるのか・・・
覆い隠す闇 埋め尽くされた光
感じたくなくても感じる その痛みこそ
我を揺るがす悲痛の雷(いかずち)なのだ・・・
音のない世界は とても寂しい
そんな時間をずっと 過ごしていけというのか・・・
少しでもいいから音がほしいんだ
少しでもいいから愛がほしいんだ
零音(れいのん)の世界では いつかつぶれる
ああ 誰かこの圧迫から解放してくれ
―叫び狂う一人の男
男の目の前には悲しそうに涙を流す少女・・・
男の後ろには面白そうに笑う黒い少女・・・
男を導くのは天使か?それとも悪魔か?
それはきっと誰も知らない
私さえも知りえないのだ・・・
だからこそ三人の物語は
永遠に続くものになったのだろう・・・
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