白昼夢

白昼夢



鏡越しの泣き声　足元を濡らして
思い出の世界が　僕だけを残した

人影と世界樹　今はもう朽ち果て
懐かしい香りが　僕だけを誘うよ

草原に広がる　記憶の隙間を
塗りつぶし繰り出す　滲んだ世界へ


ひとりぼっち空の下で眺めている
明日は口をあけた闇に沈みそうだよ
昨日泣いた声は聞こえないけど
丘の上に咲いた花は崩れそうだよ


夢に見た世界で　星空の下
誰かを呼ぶ声は　枯れてしまった


瞳の中の滲んだ姿
輪郭は淡く溶け出すイデア
薄れていく意識と群青の空
草原は凪いで　思い出が落ちていた


ひとりぼっち空の下で佇んでいる
君は口をあけた闇に沈みそうだよ
君の泣いた夜は忘れたけど
丘の上に咲いた花は枯れそうだよ


夢に見た世界で　雨雲の下　
君を呼ぶ声は　枯れてしまった


瞳の中の滲んだ姿　
君は微笑んで手を振っていた
瞳の中の滲んだ姿
置いていかないで　僕を消さないで

白く無機質な草原の中
昼は落ち彼方で昇華する人影
夢は凍てついて輝く思い出
置いていかないで　記憶だけ抱いてくれ