【鏡音レン・鏡音リン・初音ミク・巡音ルカ】　蝉吟　【オリジナル】

蝉シリーズ第10弾です。
ボカロP活動10周年記念作品です。

ニコニコ動画　→　https://www.nicovideo.jp/watch/sm35604645
YouTube　→　https://youtu.be/eXistxebyR8

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「夏を生き延びよ 空蝉
喚き叫んで　空を見つめ」

「愛しくても　恋しくても
私は鳴くことができない」

「翅を毟られ僕らは落ちてゆく
敵に喰われて僕らは溶かされて」

「ありふれた声をひたすら上げて
模倣をしながら生きるんだ」

「死ぬ為に生きるんじゃなくて
繋ぐ為に生きてゆく」

風死す夏に疾風を巻き起こして
夏の霞を晴らして 飛び廻れ
堕ちてゆく自身の抜け殻を捨てて 壊して
鼓動を震わせろ

線香花火のように消えて
燃え尽きてゆく一生の鬱くしさに
錫の歳 吟じた 蝉の噺
隠世 詠み聞かせましょう

「仕組まれた死の因果律に
立ち向かう力を
サヨナラばかりが先行していく
壊れてく心の音」

「蝉蛻」
「永久に生きよう　蝉たちの世界で
願いを横取りした空蝉の子等
夏の果てへ」

「蝉時雨」
「君を愛した夏の世界へ帰ろう
また会えるよ 今度は一緒に夏を越える」

「あゝ夏よ サヨナラ
「あっ！」と言わせる吃驚仰天
奏でましょう　羽音に乗せて
これが秋空……
カーナカナカナ　ツクツクボーシ」

「蝉吟」
短い夜に逃げ水を映し出して
暑気を払って灯籠に夏日納め
舞われや廻れ　隠れん坊は終わりだよ
生きがいは夏の先にもある

翅を広げて殻を破れ
時雨の如く夏の風物詩になれ
震わせる声音は愛の噺
秋へと響かせ

楽楽楽……

紅く染め重ねる　夜もすがら
秋に生かせぬ　通せん坊
喰らう　溺れる　燃え尽きる空蝉
失せろと喚きを散らしても
何度だって
翅向かう
刃向かう
歯向かう
見納めなど亡い

風死す夏に疾風を巻き起こして
夏の霞を晴らして 飛び廻る
堕ちてゆく昔の抜け殻を捨てた 壊した
鼓動を震わせた

線香花火のように消える
燃え尽きてゆく一生の尊しさ
錫の歳 吟じた 昔噺

生きとし生ける虚蝉よ

千の秋は楽の園