サンドリヨン ・勝手に★解釈



それは寒い寒い冬の日だった。
少女サンドリヨンは薄くて汚い惨めな古着を着て、
壊れかけた馬車の中で震えていた。

ちょうどその日はこの国の王子 カイト王子 の花嫁を決める
舞踏会だった。

サンドリヨンはパーティーへ出かける綺麗なドレスを
着た女の人を何人も見ていたが、
その人たちはサンドリヨンに見向きもしない。
例えサンドリヨンに気付いても
「やだ、汚い子」と
一言言って早々と立ち去って行く。
でもサンドリヨンは気にしなかった。

サンドリヨンは大変裕福な家庭で暮らしていた。
でも幸せでは決してなかった。
実の母親が死んでから、父親は
騙されて他の人と結婚した。
その新しい母親には2人のサンドリヨンより
歳上の娘がいた。
新しい母親と2人の姉はサンドリヨンを
それはもういじめた。
母親達はお洒落な海外製の
ドレスを着たがサンドリヨンはホコリまみれの
汚いワンピースだった。

そして一週間前、父親が仕事に出かけてるあいだに
ここへ捨てられたのだった。
それから食料も何も持っていなかったので
なにも食べていない。

サンドリヨンがうずくまっていると
一台の馬車が止まった。
なかからおばさんがでてきた。
「さぁ、馬車にお乗りなさい、早く」
サンドリヨンは言われるがままに馬車に乗った。
それがこの物語の始まりだった。


馬車の中はとても広くお姫様でも乗るのかというくらい大きかった。
「お嬢さん、名前はなんていうの?」
「サ、サンドリヨンです」
「へえ、サンドリヨンって言うの。おなかがすいていそうね、
 このパンでもたべなさい」
「ありがとうございます…」
サンドリヨンは夢中で食べた。
「それから服もこれ着替えなさい」
それは上等な舞踏会用のピンクのドレスだった。
「…あの?」
「貴方は美しいのだから今日の舞踏会、いってきたらいいじゃない」
「でもどうしてそこまで私に―――。」
「とりあえず着替えなさい」
「はい…。」
サンドリヨンはドレスに着替えた。
それから髪も整え、化粧もし、ティアラもした。
完全にお姫様だった。


「おばさん、ありがとうございます.絶対にドレス、返しますから!」
「いいんだよ、返さなくって。そのかわりさ。」
おばさんは杖を振った。
そしてサンドリヨンに向けてきらきら光る
光線のようなものを発射した。
「何したんですか、おばさん、何者―?」
「私?私はフェアリーゴッドマザー。
 今かけたのは魔法。それも12時になったら
 ある条件を果たさなきゃ死んでしまうね。
 その条件を果たしてくれればドレスも要らない。」
「おばさん、嘘でしょう?」
「嘘なんかじゃないわ、信じなくても貴方が死ぬだけだけど。
まあ、その条件はね、このナイフで王子を12までに…」
「12時までに?」
「殺す事。」
サンドリヨンは凍りついた。
「嫌よ、人殺しなんてしたくない」
「あら、はむかっていいの?私は貴方に何をあげた?パンやドレスにティアラ、
それに舞踏会にいかせてあげるのよ?」
「でも…!」
「いい?私はフェアリーゴッドマザー。どんな魔法だってつかえるの。
貴方なんてこの魔法でどうにでもできるのよ?」
サンドリヨンは黙り込んでしまった。

そして城の前で降ろされた。
そして綺麗なナイフを渡された。
「じゃあ、どちらにしよもう貴方に会う事はないわ、
成功する事を祈るわ、それじゃ」
そういってフェアリーゴッドマザーと別れた。
タイムリミットはあと3時間。

「こっちでいいのかしら・・・?」
震えながら来た事も無いお城の階段を登る。
あせるあまり3段飛ばしに上っていった。
大きな扉を見つけた。そこを開くと
天国のような楽しいダンス会場があった。
でもサンドリヨンには地獄に見えた。

サンドリヨンは見知らぬ王子・カイト王子を探した。
なかなか見つからない。
「あの、一曲踊りませんか?」
振り返ると青い髪の美しい少年がいた。
断ろうとも思ったがあまりにも美しいので
サンドリヨンはおもわずOKしてしまった。

「お嬢さん、お名前はなんていうのですか?」
「サンドリヨンと申します。貴方は―?」
「すいません、申し遅れました、カイトといいます」
その瞬間回りのものが白黒になった。
そして綺麗な音楽もとまった。
「あの、サンドリヨンさん?」
「あぁ、すいません」
タイムリミットはあと20分。
おねがい、フェアリーゴッドマザー。
もうすこし躍らせて?
それから幸せに時は流れた。


あと3分。もう限界だ。
お願い、永遠に時が止まってほしい.
彼は時計に目をやっている。
王子――。これしかなかったの、ごめんなさい―――。



ゆっくりと王子は倒れた。
「…はぁっ…っ…ぁっ…」
「王子――!!」
「参ったな、君を花嫁にしようとおもったのに」
無理に王子は笑いながら言った。
サンドリヨンは自暴自棄になりティアラを投げ捨て
ドレスも膝で裂いた。
そして声を上げた泣いた。
こんな短時間で王子を私はこれほど好きになってたんだ。
私…バカだ。
「…ぅっ…王子っ…、ごめん…ぅ…な…さい……っ…ひっく…ぅっ…」
「しょうがないよ…フェアリーゴッドマザーに魔法かけられたんでしょう。」
以外にも王子はそのことを知っていた。
「どうして…知っているの?」
「マザーは僕を心底嫌っているからね…うっ」
「それなのにどうして私と踊っていたの?」
「ケホッ…ぅっ…どうせ、…マザーは本気で僕を殺す。だったらとっても
美しい君と踊ってたかったから…」
サンドリヨンとカイトは最後にと見詰め合っていた。
もうすぐ鐘がなる。そして永遠にカイトは目を開かなくなるだろう。
2人は最後の口付けをした。
そして鐘はなり永遠にカイトは目覚めなくなった。

「カイト王子――...天国で会いましょう」
そういってサンドリヨンはナイフを手に取った。



 冬の日の夜、ある姫とある王子は仲良く城で永遠の眠りについた。



ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【オリジナル解釈】サンドリヨン

閲覧数:20,712

投稿日:2011/07/03 16:28:44

文字数:2,486文字

カテゴリ:その他

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