曇り掛かったノイズのフィルター
無機質に映っていく灰色のデスク
鏡越しに映る女性の姿
何回も見たことある虚ろな瞳
ゲージの扉を上げる
惹きつけるその視線が私の目を奪ってく
吐き気が催しそうな私は
苦し紛れにマッチ投げ入れて
群がってく虫けらたちに
白い煙を吹きかけ大きな満足感に浸ってく
少しだけ心に残る小さな違和感はあるけど
欠陥には知らんふり
頭に残っているやけどの跡
日に日に増えていく叩かれた打撲傷
さりげなく鉄柵を上げようとして
鼻を刺激する火薬の香り
本当は息苦しくて
虫けらたちが体にまとわりついていた
噛みつき傷をつけてゆき
流れる血に耐えきれなくて
冷え切った部屋の真ん中で
座り込んだ不憫な彼女は
今日も苛酷に虐げられる
切り傷が大量に残っているのを
気にして言った「こんなはずじゃなかったのに」
本当は気づいていたんだ
いままで自分で首を吊ってたことを自覚したくなくて
放置された鳥かごに触れることもできない私は
狂いそうになっていく
心の拠り所は燃えて灰色が一面に広がり
私はただ泣きつくした
もう乱暴なんてできずに過ごすことなんかできない
おねがい誰か教えて
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