「あ、流れ星!」
君が空を指して呟いた。
ヒュー…と僕の目の前を瞬く間に通り過ぎた。
「キミは、何を願った?」
笑顔で訪ねてくる君に、僕は苦笑した。
「何も。…流れ星は、一瞬だから。」
君はそうだね。と笑った。
もし、もしも願いが叶うなら、僕は何を願うだろう?
何を、星に願うだろう?
「ねぇ、私は何をお願いしたと思う?」
イタズラっ子の笑みを浮かべて君は言った。
「さぁ、何だろう。」
僕はそう答えた。
君は、「ふふっ」と楽しそうに笑って言った。
「キミと、ずーっと一緒にいられますようにっ!」
君は最高の笑顔で僕に告げると、そっと僕の方へ頭をあずけ、そのままもたれた。
「…ずっと、一緒に…」
だんだん声が小さくなっていく。
君が遠くへ行くような気がして、手をギュッと握りしめた。
しばらくして声が聞こえなくなって、肩にかかる体重が、重くなった。
伝わる温もりが、冷めていく。
僕の頬に、一筋の涙が伝う。
「…僕も、君とずっと一緒にいたい。」
星の流れない夜空に、僕は願った。

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  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

星二願イヲ

昔なんとなく浮かんだフレーズを唯書いただけのものです。

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投稿日:2015/12/31 02:18:37

文字数:440文字

カテゴリ:その他

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