咲いた花は 蕾(つぼ)まぬように
夜を照らせば 目を引くように
屋形船浮かぶ 河上の
残像をまだ 焼き付けて
まばたきもせず
走る 切れた息 一時の
唸る 暑さから 逃げ狂い
熱帯夜の先を 覗けば ああ
収まらない 熱に逆らい
迫ってくる 地力負かせて
戻らぬように 消えないように
咲いた華を ああ みていた
石段触れて 感じる涼と
音が知らせる 風の便り
川床沈んだ 笹の葉よ
思い出さぬよう また進め
くやむことなく
募る 夏の匂い 一時の
捲る 情熱は 逃げていった
閑古鳥の声が 涸れたら ああ
どこまででも 追いかけてくる
塞いだ指 強く剥がされ
止まらぬように 忘れないよう
咲いた華を ただ みていた
収まらない 熱に逆らい
迫ってくる 地力負かせて
戻らぬように 消えないように
咲いた華を ああ みていた
轟かせた 光 今でも
許すことなく 前を 見つめて
引きずった痕 焦がしてくよう
咲いた華を まだ みていた
咲き誇った華 消えぬままに
00:00 / 03:41
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想