女「寒いねっ」

男「狭いんだから出てけよ」

女「女はこたつで丸くなるっ」

男「お前こたつに入るだけの為に来たのか」

女「もちのろん!! 冬といったらこたつだよ」

男「お前ん家も十分暖かいだろうが」

女「分かってないね。男君。日本の冬といったらこたつにみかんだよ」

男「そういやみかんがないな」

女「男君、行ってきて」

男「めんどい」

女「お願いっ」

男「そんなに欲しいなら自分で取りに行け」

女「今の私は猫なのにゃ。だから取れないにゃ」

男「ならみかんも食べられないな」

女「た、食べられるもん!!」

男「猫がどうやって皮むくんだよ」

女「男君がむいて、私に食べさせてくれれば大丈夫にゃ」

男「あのな」

女「そう言えば男君。私この前面白い物貰ったんだよ」

男「面白い物?」

女「ほらこれ!!」

男「……カチューシャ?」

女「猫耳カチューシャだよ!! 可愛いでしょ」

男「誰から貰ったんだよ」

女「今仕事してるリーダーがくれたんだよ」

男「何でカチューシャ何かを女にあげたんだ?」

女「似合いそうだから思わず買っちゃったんだって」

男「変な人だな」

女「つけてみよっと。……どうかにゃ?」

男「……いいんじゃねーの?」

女「ホント? 嬉しいにゃ!!」

男「ネコ語はやめろ」

女「男君、みかーん」

男「じゃあジャンケンな」

女「負けたら脱ぐやつ?」

男「阿保かお前は」

女「私ジャンケン弱いんだもん」

男「ほら行くぞ、ジャンケン……」



女「ほら負けた」

男「取って来い」

女「さむーい」

男「大丈夫、一瞬だ」

女「みかんが歩いて来ないかなぁ」

男「馬鹿なこと言ってないで早く行ってこい」

女「……なーんか私みかん食べたくなくなったなぁ」

男「……おい」

女「食べたい人が取りに行く、それでいいんじゃないのかな?」

男「じゃあ俺もみかんいいや」

女「ええっ」

男「そこまでじゃないしな」

女「みかん君が呼んでるよ。男君、早く来てって」

男「結局お前が食べたいだけじゃねーか」

女「だってぇ……」

男「しょうがない。取ってきてやるよ」

女「ホント!? 男君、優しい!!」

男「都合いいやつだな」

女「よろしく頼むにゃ」

男「……ッ」



男「ほらよ」

女「みかんがたくさん!!」

男「この前母さんが一杯買ってきたんだよ」

女「遠慮なく頂きます」

男「お前用に買ってきたからな」

女「ふにゃっ!!」

男「変な声出すな」

女「みかん汁が目に入ったぁ」

男「そりゃ痛いな」

女「ふにゅー……」

男「……大丈夫か?」

女「もう平気だよっ。でも……」

男「でも、何だよ」

女「目良く見えないから、食べさせてほしいな//」

男「自分で食えるだろ」

女「ちっ」

男「中々、美味いなこのみかん」

女「うん、美味しい。ねぇ男君」

男「今度は何だ」

女「おもちも食べたい」

男「自分で行ってこい」

女「おもちさん、来い!!」

男「……あのな」

ガチャ。

母「あら、女ちゃんも来てたのね」

女「お邪魔してます」

母「今日の晩御飯、鍋にしようと思うんだけど、女ちゃんも食べる?」

女「め、迷惑じゃないのなら」

母「じゃあ決まりね」

女「お手伝いしますね」

男「……こたつに鍋か」

女「どうしたの男君?」

男「いや、季節が過ぎるのは早いな、って」

女「そうだね。また来年もこうして冬を迎えたいね」

男「……あぁ」

女「こたつさん、また今年もよろしくね」

fin

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  • 非営利目的に限ります
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【SS】 20 こたつ

ツンデレ男とひたむき女のほんわか話。
寒い日に家にやってきた女。
男はそんな女を見て……。

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投稿日:2010/12/04 20:48:21

文字数:1,511文字

カテゴリ:その他

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