サイダーみたいな空、
揺らめいて上がっていった言葉が
音も無く弾けてしまった
風が吹いている病室で
溜まる点滴が枯れる様を
もうどれだけ見たのだろう
違う誰かになりたかった
小説も今じゃ底を尽きた
サイダーみたいな空、
揺らめいて上がっていった言葉が
音も無く弾けてしまった
もう抜けてしまったのだ
どうしてこんなにも私、辛いの
あなたは言った
「どの本でも僕たちみたいにはなれないよ」
橙色した病室で手を繋いで眠る
「もしも私が居なくなって
どうしようもなくなったなら、
忘れてしまっていいから
どうか笑っていて欲しいよ」
サイダーみたいな空、揺らめいた
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2016/09/06 13:49:02