男「ほう、出張か」

女「だから今週末はデート出来ない……」

男「何で女が寂しそうな顔するんだ」

女「男君は私とデート出来なくてもいいんだ!?」

男「仕方ないだろうが」

女「それはそうなんだけど……」

男「寂しがって欲しいと」

女「うんっ」

男「わー、寂しいなー」

女「棒読みじゃん!!」

男「ばれたか」

女「一緒に行くのが男の人なんだよね」

男「女が良く言ってる同僚か」

女「そうなんだよ。何で私が選ばれたんだろう」

男「その同僚に好かれてるから、とか」

女「えー、そんなの絶対ないって」

男「そうとは限らないだろ」

女「だって私、婚約中//」

男「もし相手がそれを気にしなかったら……」

女「男君?」

男「何だよ」

女「何か凄く嬉しいんだけど、嫉妬してない?」

男「まぁ嫉妬してないって言えば嘘になるな」

女「可愛い//」

男「じゃあもし俺が先輩と出張するって言ったらどうする?」

女「ついてく!!」

男「そうなるだろ?」

女「いくら男君を信じてても若干は不安が残っちゃう」

男「俺の気持ちを代弁してくれてありがとう」

女「そっかぁ……そうだよね……」

男「でも仕事だから気に」

女「じゃあ私、仕事辞める!!」

男「どうしてそうなった」

女「私、男君に心配されたくないもんっ」

男「落ち着けって」

女「内縁の妻として、支えていくよ!!」

男「……仕事、まだ続けたいんだろ?」

女「でも……」

男「信じていいんだろ?」

女「……うん」

男「だろ? 確かに嫌だけど俺はそんなに女を疑ったりしねーよ」

女「しかし男はこの時、女を行かせなければ良かったと後で後悔するのであった」

男「変なナレーションつけるな」

女「あははっ。大丈夫。信じて。心も体も男君の物だから//」

男「それは頼もしいことで」

女「……男君も私のいないところで他の女連れ込んだらダメだよ!!」

男「しねーよ」

女「監視カメラしかけておこうかな……」

男「お前は本当にやりそうだから恐い」

女「お互い浮気禁止だからね!!」

男「当たり前だろ」

女「えへへ//」



先輩「男君」

男「え、あ、何でしょうか」

先輩「三回呼んだんだけど」

男「気付かなくてすいません」

先輩「何かあった?」

男「……何もないですよ」

先輩「この書類も不備があるわよ」

男「……すいません」

先輩「……何か悩み事でもあるの?」

男「いや……大丈夫です」

先輩「……それならしっかりしてくれないと困るんだけどな」

男「……はい」

先輩「……」



先輩「なるほど、出張か」

男「はい……」

先輩「女ちゃんが心配って、可愛いところあるじゃない」

男「すいません、わざわざ食事まで誘っていただいて」

先輩「いいのよ、気にしなくて。それにチャンスじゃない?」

男「チャンス?」

先輩「弱ってる男君の心の隙を狙えるじゃない」

男「それはないです」

先輩「あら、どうして?」

男「先輩はあいつじゃ……女じゃないからです」

先輩「……」

男「俺が好きなのは女なんです」

先輩「……ですってよ、女ちゃん」

男「……え」

女「今なら死ねる//」

男「お、お前出張は!?」

女「行ってきたよ」

男「行ってきたって……」

女「私も寂しかったからさ。頑張って終わらせたんだよ?」

男「女……」

女「それなのに男君は、案の定先輩さんとイチャイチャしてる」

男「おい」

女「気持ちが浮ついてる証拠だよ、全く」

男「先輩の仕業ですか?」

先輩「私はちょっと頼まれただけよ」

女「私は一途に男君の為に帰ってきたのに!!」

男「分かった分かった」

女「また適当に流そうとして」

男「仕事お疲れ様」

女「その前に言うことあるんじゃないのかな?」

男「……先輩のいる前でか?」

女「違うよ。もっとシンプルなことでいいんだよ」

男「……お帰り、女」

女「えへへ、ただいま、男君」

fin

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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【SS】 24 女の出張

ツンデレ男とひたむき女のほんわか話。
今回、男の同僚と出張になった女。
それを聞いた男は?

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投稿日:2010/12/20 08:10:47

文字数:1,712文字

カテゴリ:その他

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