よヰかん

なんてことのない日々の一コマ
忙しなく流れる機微の濾過
誰も気づかない
軽い頭痛が呼び鈴を鳴らして
あぁ、悪夢のような絶望が
ひたひたと忍び寄る
私たちを理不尽に巻き込んで
あぁ、地獄のような現実を
否応なしに見せつける
私たちを道連れにして...

暗号
内緒の気持ち
折りたたんで仕込んでみる
言葉
繋ぎ合わせ
見えてくるのは何だろうな
暗号
言葉のロック
書いては消して繰り返す
電子の海に流れ...

おてがみを書きます
「お元気ですか。こちらは変わりなく」
変わっていてほしいけど
「聞きたいことがたくさんあります」
まだ、まだ、たくさん
綴る　綴る　思いのままに
筆が走る　留まることなく
過ぎた日々が　急かすように文字を組みあげてゆく
書き終えて　くしゃくしゃになった紙切れを
紙飛行機の形にして...

陰りが見える
少し蝕まれ
ツキ回りが滞る、そんな予感に
赤信号が律儀に応える
堰き止められた運命の端
暗転
焦る心　散らかる頭
詰まる言の葉
深呼吸を繰り返して今
不安不安が留まるぐるぐる...

曲がり角
いきなり飛び出す
人の影
イヤホンの
音量間違え
耳爆ぜる
暗がりに
佇む木陰に
お化けをみた
徐々に強くなる...