眠れない真夜中の意味のない一人遊び
目を瞑って描く理想　逃がす前に崩れていく

明日へ向かうこの部屋は生温い風が荒れて
空間に飲まれそうな僕だけを置いていく

膝を抱えて過ぎる時を待つ
いつになったら眠ってくれるの

夢を見る羊の肖像
融けて歪んで空になる
零れ落ちるその涙の音が
いつか止むようにと

水の入ったグラスの底
割れて浮かんで星になる
染みこんでいくその温度の跡が
いつか消えるようにと


眠れない真夜中のつまらない言葉遊び
分かっている嘘を付いてまた僕に怒られる

片付いたまま動かない光景
呼びかけてみても何も言ってくれない

夢を狩る獏の投影
切れて揺られて雲になる
独り怯えるその視線の奥が
いつか差すようにと

雨の映った鏡の中
跳ねて曲がって月になる
紫がかるその光の声が
いつか満ちるようにと



夢を見る羊の肖像
融けて歪んで空になる
零れ落ちるその涙の音が
いつか止むようにと

水の入ったグラスの底
割れて浮かんで星になる
染みこんでいくその温度の跡が
いつか消えるようにと

文字の無い物語の果て
魅せて忘れて朝になる
思い出せないその台詞の先が
いつか出逢うようにと



（読み）
ねむれない　まよなかの　いみのない　ひとりあそび
めをつむって　えがくりそう　にがすまえに　くずれてく

あすへむかう　このへやは　なまぬるい　かぜがあれて
くうかんに　のまれそうな　ぼくだけを　おいていく

ひざをかかえて　すぎるときをまつ
いつになったら　ねむってくれるの

ゆめをみるひつじのしょうぞう
とけてゆがんでそらになる
こぼれおちるそのなみだのおとが
いつかやむようにと

みずのはいったぐらすのそこ
われてうかんでほしになる
しみこんでくそのおんどのあとが
いつかきえるようにと


ねむれない　まよなかの　つまらない　ことばあそび
わかってる　うそをついて　またぼくに　おこられる

かたづいたまま　うごかないこうけい
よびかけてみても　なにもいってくれない

ゆめをかるばくのとうえい
きれてゆられてくもになる
ひとりおびえるそのしせんのおくが
いつかさすようにと

あめのうつったかがみのなか
はねてまがってつきになる
むらさきがかるそのひかりのこえが
いつかみちるようにと



ゆめをみるひつじのしょうぞう
とけてゆがんでそらになる
こぼれおちるそのなみだのおとが
いつかやむようにと

みずのはいったぐらすのそこ
われてうかんでほしになる
しみこんでくそのおんどのあとが
いつかきえるようにと

もじのないものがたりのはて
みせてわすれてあさになる
おもいだせないそのせりふのさきが
いつかであうようにと