泡の喘ぎは　目に沁みる
それはまるで　鏡のように
揺らめく水面を　映して
逃げ出す私を　捕らえ続ける

貝殻の中は　苦しい
麗しき鱗　煌めかせ
思うがまま　泳ぎ廻り
真実の酸素を　吸ってみたい

教えてほしい　光の世界
自分の足で　立って歩く感覚
人魚（わたし）たちには　理解（わか）らないから
禁断の力　使ってでも外へ

恋焦がれるのは　　曇天
だけど其処に　届くようには
人魚（わたし）は創られて　いないから
流れて届く　屍体を愛でる

海の中では　見えない
砂浜を歩く　王子様
私のこと　見てくれる？
今すぐ貴方に　会いに行くわ

教えてほしい　身を焼く官能
人を愛する　愚かさと共に
失ったものの　大切さを
思い知るのは　もう少し後

貴方と共に　過ごす日々
幸せすぎて　不安になるの
とても貴方が　愛しくて
時間がないのに　離れられない

外の世界は　摩訶不思議
愛しい時間は　一粒の
輝く宝石（いし）　見てるみたい
貴方のココロと　似ているね

教えてほしい　助かる術を
愛されなきゃ　人魚は泡沫（あわ）と化す
私は嫌だ　消えたくないよ！
貴方の愛を　私に頂戴？