“祈り給え
自らの罪
たとえその罪が
赦されずとも”
また、あの声が…
どこからか、声が聞こえている。少女にしか聞こえない声。
少女は、その声から逃れようとひたすらにもがく。知らないうちに、外にでている。まるで夢遊病のよう。
――――声は、2つ。
少女の罪を責める声と、…少女自身の存在を問う声。少女はそんな罪に覚えはなかったし、自身の存在も良く分からない。そんな答えのでることのない2つの声が少女のなかで不協和音を奏でていた。
少女は叫ぶ。
「救い出してよ!助けて!あの声から!」
それは、永遠に届くことのない叫び。
叫ぶたびに、少女はさらに深い闇に堕ちていく。己の罪を認められぬ罪深さ故に。
しかし、少女はそれに気づかず、声を枯らして叫ぶ。…無理もない。少女は自分の罪の記憶を、自分がその罪に苛まれないように、消してしまったのだから。
目から涙が溢れだした。それは感情のない涙。少女の意思とは関係なく涙が溢れてくる。
だって、 それはもう一人の少女が泣いているから。心の中の、真実を知っている少女。
心の中の少女は、嘆く。いつまでも。
愚かにも、罪の記憶を消し、自分の犯した罪を無かったことにしようとしている少女に。
少女は自問する。
本当に自分はそのような罪を犯したのか?
それに心の中の少女が答える。
――次々と明らかになる真実(記憶)
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ
嘘だッ!!!!!
少女がいくら否定しようとも、それは真実。
少女の心に再び咲くこととなった猜疑心の塊は、花のように華麗に咲き誇り、強く心に根を張った。
「こんな事実あるもんか!認めない!」
上辺では否定しながらも、心のどこかでは納得している。そんな関係が軋んだ歯車をずれさせ、少女の眠っていたはずの、歪んだ狂気を呼び覚ました。
そして、心の中の少女とともに少女の心は…消えた。
狂いだし、心を無くした少女は、最早「自分」という存在さえも忘れ、また、昔の少女のようになってしまった。罪を犯した時の少女のように。
その少女が思うことは一つ。
この世界が憎い…!!
憎いから、この世界を真っ赤なアカに、きれいなアカに、染めてやれ…!!
それは、全てに見捨てられた少女の、
………悲惨な末路。
“罪に罪を
重ねた少女
その罪は重く
永遠に消えない”
死ぬ、直前。
少女は、願う。
私は…間違っていた…
この罪を…許して…
“永遠に赦されないというのに。
まるで滑稽な姿だ”
-END-
追懐の記憶[解釈]
私の詩「追懐の記憶」の解釈というか物語というかな文です。
一つ補足。
心の中のもうひとりの少女とは少女の良心、正直な心の具象化です。
心が消えたので、心の中の少女が消え、そのために少女は悪意の塊になってしまったのです。
歌詞→http://piapro.jp/content/y3la0o9hq4v70shy
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