水面は 朱に染まり
今日陽は 沈みゆく

夏の風 はるか陽炎 かき乱して
静か ゆらめく波に 委ねれば
わたしの身体にまとわる 薄衣少しずつほどけて

今はただ 揺蕩いの 腕に残した 温もりは
いとおしい 想い影 恋のまぼろし 残暑のひとがた

赤き海 きらきらと
闇黙 さらさらと
ふたつ うつし世の はざまこそ
優しい記憶の まほろばだから
耳を澄ませて 眠ろう

心は 憧れて
渚から 離れゆく

水鳥 彼方たそがれ 溶け込んで
海月 湧き立つ泡に 呑まれれば
わたしの身体を隔てる 柔肌少しずつとかして

今だけは 暮れないの 煽れる汐に 頬湿し
天庇う 雲熱れ 果にひろがる 幽かなかがやき

火照る星 めらめらと
水脈焦て ゆらゆらと
直ぐに おとずれる 別離こそ
悲しい奇跡の ことわりだから
夜が来るまで 浸ろう

溺れていく 溺れていく この美しい世界へと
沈むように 沈むように 浮かび続ける
青ざめた夏が 降りてくるまえに
赤したい わたしと いう名の さざなみ

今はもう 絶々と 震える胸の 切なさは
いくつもの 幻燈 久遠の海に またたく雪色

還りえぬ 夏の日よ
遺された 涼の音よ
それは 蝉の抜け殻 蝶の夢
今は終焉の 季節としても
撫でし香となれ ひとたび
いのち赤せよ ななたび

水面は 蒼に染まり
銀河は 満ち足りる

紫の火 かなた月黄泉 映しだして
ほとり ゆらめく波紋に 踏み出せば
わたしの身体につながる 赤糸少しずつほつれて

わたしの愛した 思ひ出だから
涙 拭って 眠ろう

※※

みなもは あけにそまり
きょうびは しずみゆく
なのか はるかかげろう かきみだして
しずか ゆらめくなみに ゆだねれば
わたしのからだにまとわる きぬすこしずつほどけて

いまはただ たゆたいの かいなに のこした ぬくもりは
いとおしい おもいかげ こいのまぼろし ざんしょのひとがた

あかきうみきらきらと
やみしじまさらさらと
ふたつうつしよの はざまこそ
やさしいきおくの まほろばだから
みみをすませて ねむろう


こころは あくがれて
なぎさから はなれゆく

みどり かなたたそがれ とけこんで
みづき わきたつあわに のまれれば
わたしのからだをへだてる はだすこしずつとかして

いまだけは くれないの あふれる うしおに ほほしめし
そらおおう くもいきれ はてにひろがる かすかなかがやき

ほたるぼしめらめらと
みおあせてゆらゆらと
すぐにおとずれる わかれこそ
かなしいきせきの ことわりだから
よるがくるまで ひたろう

おぼれていく おぼれていく このうつくしいせかいへと
しずむように しずむように うかびつづける
あおざめた なつがおりてくるまえに
あかしたい わたしと いうなの さざなみ

いまはもう たえだえと ふるえるむねの せつなさは
いつくもの ゆめともし くおんのうみに またたくゆきいろ

かえりえぬ なつのひよ
のこされた すずのねよ
それは せみのぬけがら ちょうのゆめ
いまはおわりの きせつとしても
なでしことなれ ひとたび
いのちあかせよ ななたび

みなもは あおにそまり
ぎんがは みちたりる

しのび かなたつくよみ うつしだして
ほとり ゆらめくなみに ふみだせば
わたしのからだにつながる いとすこしずつほつれて

わたしのあいした おもいでだから
なみだ ぬぐって ねむろう 

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

赤き海

よろしくおねがいしますー
【初音ミクアペンドDARK】 赤き海 【オリジナル】
(5:29) http://nico.ms/sm11954389 #nicovideo #sm11954389

閲覧数:191

投稿日:2010/09/01 09:52:00

文字数:1,451文字

カテゴリ:歌詞

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