──窓をうつ微細な雨粒
閉じた本を開き栞をとり夜の闇に慣れた睛
文字の並びを つつ、と追い
不思議不思議な物語
机のなか 抽斗(ひきだし)から銀木犀の甘く香る
それが酷く目暈(めまわ)しくて
ぼくはひとり夢を見た
硝子の川 硝子魚が泳ぐ
月の導き
冷たく澄みとても綺麗
なのにどこかかなしい
搖蕩う 波をたてて静けさを呼吸する
漂う 緩やかに秘密の庭へと進む
微眠(まどろ)む 時計の針がぼくの鼓動を刻む
彷徨う 知らない声が頭に響いてく
叶わない希いは秘かに
無感情あるいは無垢に 星座になり巡り注ぐ光
パズル紐解き明かす旅
熱を孕んだ物語
流浪の舟 ゆらり進め 銀木犀の淡く咲いた
落下してゆく花を見つめ
ぼくはひとり涙した
天(あま)の鏡 硝子魚が泳ぐ
星の煌き
夏の夜はとても詩的
なのになぜかせつない
窓をうつ微細な雨粒
風が吹いたならすべてはもとに戻る
叶わない希いは秘かに
天(そら)の彼方から接吻(キス)を落とすだろう
きっと
搖蕩う 波を立てて静けさを呼吸する
漂う 緩やかに秘密の庭へと進む
微笑む 睡りのなかきみの白い手をとる
彷徨う 知らない声が頭に響いてくる
叶わない希いは秘かに接吻を
閉じかけた瞼を開いてみると──

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

銀木犀の夜

くぇさんの楽曲(http://piapro.jp/content/92035fz7md4uldlh)
に詞をつけさせていただきました。

不採用でした。

閲覧数:465

投稿日:2013/04/17 00:03:35

文字数:522文字

カテゴリ:歌詞

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