あぁ、ダメだな僕。死ぬかも。








僕は、ふいにそんなことを思った。
だって、腹を刺されたんだから。




思えば、人生短かったなぁ。
色々なことがあったなぁ。




姉さんが死んで。

博士に会って。

天才になって。

初音に会って。

箱庭に行って。

ルカに会って。

世界の狭間に飛ばされて。

神の知識を知って。

神になって。

世界を再構成して。

グミに会って。

なんか時間が巻戻されて。

ほんとにいろいろあったなぁ。





ん?今のは走馬灯か。
そうか、僕はもうすぐ死ぬのかい?




このまま死んでしまえば、どれだけ楽なんだろう。
もう思い残したことは…








『…私はじき死ぬ…せめて、あなたは私のかわりに、生きて…』


『私はライツヴェルト・ホープっていうの。坊や、私があんたを救ってあげるからね』


『坊や、こんにちは。私はメイコ。いいかい、キミはいずれ、影神という大事な役目をこなす。そして、世界をアイツから救っておくれ』


『研究室に人がいるなんて、珍しいわね』


『地球プラネタリウムって知ってる?』


『はじめまして、若き研究者』


『君は僕。僕は、君だ』


『MGR団を結成するわよ!』


『ええ、MGR団に入りたいんです』


『神の力を持ちし者よ、あなたを神の箱庭に招待するわ』


『私があんたを影神にまで育てたんだ…感謝しろよ?』


『必ずルカをもとに戻すから、あなたは先に箱庭に行って。それとね、私は…』






『影神よ。お前は、ここで終わる存在ではないはずだ』








いや、まだ終われない。

僕は、まだやらなくてはいけない。



計画を、阻止しないといけないんだ。



そうだよ。僕は思い出した。

僕が影神に選ばれた理由。



『世界の建造主』であるメイコに、カイトを封印し世界を救えって、命じられたからなんだ。


だから…




ここで、終わるわけにはいかない。



僕は立ち上がった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

僕と彼女の不思議な校内探検 20【リレー】

閲覧数:526

投稿日:2011/12/07 20:42:21

文字数:861文字

カテゴリ:小説

クリップボードにコピーしました