移ろって

彷徨って

また迷い込んで

ずっとずっと出口を探して

此処が何処かなんて知らない

進む道が何処に通じてるのかも解らない

でも、この足が赴く儘に 思うが儘に

いつの間にか入り込んでいた迷宮は

分かれ道ばかりで行き止まりは無い

次は右? 左?

「進んでみればどうにかなるよ」

なんて無責任な言葉信じて

とりあえず右に行ってみる

その足が地面に刻まれた標(シルベ)を

踏み躙っていたことにも気付かずに


求めて

選んで

また悔やんで

いつもいつも此処から出たくて

その方法なんて識らずに

外に出たら其処で悦べるかも判らずに

ただ、この心が感じる儘に 想うが儘に

どこまでも歩き続ける迷宮で

果てしない眺めに現れた影が

口を吊り上げた

「出口の在り処はすぐそこだから」

なんて無感情な言葉信じて

ひたすらに前を進んでいく

その手に掴んでいた友の温度が

失われていたことにも気付けられず


駆け出して

息切らして

もう迷わない


色の無い白く虚しい迷宮の

無数にある岐路は少しずつ減って

やがて一本に

「あと少し……もう少し……」

とだけ繰り返し呟き漏らし

震えてる脚を無理に動かす

その先に佇む歪(ひず)んだ暗闇が

終焉(おわり)を招いてるのだと気付きながら


出口はすぐそこに

その道はすぐ傍に

一度も振り返ることなかった

後ろを行けば そこが出入口

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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迷宮の果て

半衝動的に創った詩。
人生とか、今の社会とか、そういうのを迷宮になぞらえてみた。
初めは岐路(選択肢)がいくつもあるけど、それが徐々に減って、いつしか一本道の上……なんてこともあると思う。

閲覧数:107

投稿日:2011/12/18 20:30:21

文字数:624文字

カテゴリ:歌詞

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