行き先うやむやな片道券　線路の先はぼかし加工済み

馴染みの手段で赴くのは　手にする地図に描かれていない地
一方へ通行　また繰り返して　人をかき分け　「間もなく出発します」

迷い　進み　彷徨う　案内してくれる親切な方はどこ？
生きる　それは　片道　後戻り用の列車は永久に運休

向かいに座る子どもは新顔　隣の老人は次が終点
人生は行路　ふと思い出して　髪をかき上げ　「間もなく到着します」

悩み　進み　揺蕩う　改札で手を振る彼らはどこへ行く？
生きる　それは　片道　置き忘れたモノたちは永遠に疎遠

孤独なんて　考える暇なく進んで来た私だけど　今は二人寄り添い

生きる　明日も　片道　またアナウンスが始まる
「次は終点です」

---かな---
ゆきさきうやむやなかたみちけん　せんろのさきはぼかしかこうずみ

なじみのしゅだんでおもむくのは　てにするちずにかかれていないち
いっぽうへつうこう　またくりかえして　ひとをかきわけ　「まもなくしゅっぱつします」

まよい　すすみ　さまよう　あんないしてくれるしんせつなかたはどこ？
いきる　それは　かたみち　あともどりようのれっしゃはえいきゅうにうんきゅう

むかいにすわるこどもはしんがお　となりのろうじんはつぎがしゅうてん
じんせいはこうろ　ふとおもいだして　かみをかきあげ　「まもなくとうちゃくします」

なやみ　すすみ　たゆたう　かいさつでてをふる|かれらはどこへゆく？
いきる　それは　かたみち　おきわすれたものたちはえいえんにそえん

こどくなんて　かんがえるひまなくすすんできたわたしだけど　いまはふたりよりそい

いきる　あすも　かたみち　またあなうんすがはじまる
「つぎはしゅうてんです」