失われた空 凍て付く王国
光閉ざす雲 一つの宣告

(幾年を隔てようと、この雲を消せはせぬ。
 かの女王の命こそが、ただ一つ我が望みと。
 呪われし盟の元に、差し出され消えて逝った、
 美しき女の名を、語り継ぐ声も無く。)

望まないわ ただ一人の生は 嗚呼
(犠牲は 許し難くて)

美しき地よ
正しさを望むならどうか(正しさを望むから嗚呼)
(黒く塗り潰した)

世界が
(偽りで飾る)
記す ヒストリア
(真を歪めた 正しきヒストリア)
私は
(真実の歴史)
何時か 開かれる
(世界は目を伏せ誰にも開かれぬ)


忘れ雪解けて 返り咲く光
神々を讃え ハレルヤは響く

(民草か貴女のみか、何れ一つ与えよう。
 凍て付いた城の中に、永遠を祝福せん。
 かの女王を弑せしは、魔術師の手には非ず。
 畏れ惑う臣民の、振り上げたギヨティーネ。)

望まないわ ただ一人の生は 嗚呼
(彼等は 信じられずに)

美しき人
優しさを望むならどうか(優しさを望むから嗚呼)
(黒く塗り潰した)

世界を
(己らを飾り)
隠す ヒストリア
(祈りを歪めた 正しきヒストリア)
私を
(偽りの中に)
何時か 思い出す
(刻んだ罪ごと痛みを思い出せ)


(女王を殺せ)与えましょう
(奴に差し出せ)捧げましょう
(ギロチンに掛け)この命は
(こうべを落とせ)惜しくは無い
(我らの咎か)私だけは
(我らの罪か)貴方達を
(許されぬなら)赦しましょう
(歴史を閉ざせ)愚かな人


(千年の繁栄に、影を落とす呪い一つ。
 森に済む魔術師の、他に誰も知るは無し。)

千年を超えた今も囚われた魂は、
王国の影の中で眠り祈り続け……


貴女は
(世界に閉ざされ)
記す ヒストリア
(知る者無くした 悲しきヒストリア)
私は
(安らぎを与え)
何時か 見出される
(世界は目を伏せ赦しを受け入れる)

世界は
(La 偽りを捨てて)
記す ヒストリア
(真を束ねた 〝正しき〟ヒストリア)
私は
(La 真実の歴史)
嗚呼 此処にいる
(貴女は開かれ全ては此処にいる)

rest your soul……

rest our Queen……





・読み

うしなわれたそら いてつくおうこく
ひかりとざすくも ひとつのせんこく

(いくとしおへだてようと、このくもおけせわせぬ。
 かのじょおうのいのちこそが、ただひとつわがのぞみと。
 のろわれしめいのもとに、さしだされきえていった、
 うつくしきおんなのなお、かたりつぐこえもなく。)

のぞまないわ ただひとりのせいわ ああ
(ぎせいわ ゆるしがたくくて)

くすしきちよ
ただしさおのぞむならどうか(ただしさおのぞむからああ)
(くろくぬりつぶした)

せかいが
(いつわりでかざる)
しるす ヒストリア
(まことおゆがめた ただしきヒストリア)
わたしわ
(しんじつのれきし)
いつか ひらかれる
(せかいわめおふせだれにもひらかれぬ)


わすれゆきとけて かえりざくひかり
かみがみおたたえ ハレルヤわひびく

(たみぐさかあなたのみか、いずれひとつあたえよう。
 いてついたしろのなかに、えいえんをしゅくふくせん。
 かのじょおうおしいせしわ、まじゅつしのてにはあらず。
 おそれまどうしんみんの、ふりあげたギヨティーネ。)

のぞまないわ ただひとりのせいわ ああ
(かれらわ しんじられずに)

くすしきひと
やさしさおのぞむならどうか(ただしさおのぞむからああ)
(くろくぬりつぶした)

せかいお
(おのれらおかざり)
かくす ヒストリア
(いのりをゆがめた ただしきヒストリア)
わたしお
(いつわりのなかに)
いつか おもいだす
(きざんだつみごといたみおおもいだせ)


(じょおうおころせ)あたえましょう
(やつにさしだせ)ささげましょう
(ギロチンにかけ)このいのちわ
(こうべおおとせ)おしくわない
(われらのとがか)わたしだけわ
(われらのつみか)あなたたちお
(ゆるされぬなら)ゆるしましょう
(れきしおとざせ)おろかなひと


(せんねんのはんえいに、かげおおとすのろいひとつ。
 もりにすむまじゅつしの、ほかにだれもしるわなし。)

せんねんおこえたいまもとらわれたたましいわ
おうこくのかげのなかでねむりいのりつづけ……


あなたわ
(せかいにとざされ)
しるす ヒストリア
(しるものなくした かなしきヒストリア)
わたしわ
(やすらぎおあたえ)
いつか みいだされる
(せかいわめおふせゆるしおうけいれる)

せかいわ
(La いつわりおすてて)
しるす ヒストリア
(まことおたばねた ただしきヒストリア)
わたしわ
(La しんじつのれきし)
ああ ここにいる
(あなたわひらかれすべてわここにいる)

rest your soul……

rest our Queen……

この作品にはライセンスが付与されていません。この作品を複製・頒布したいときは、作者に連絡して許諾を得て下さい。

忘れられた女王~オルビダ・ヒストリア~

TESTMANさんの、二つのメロディの掛け合いが美しい曲http://piapro.jp/t/UlOP
採用の栄を賜りました。


空を閉ざした魔術師の望みは、王国の全ての命か、或いは女王の命か。女王を殺し差し出した民衆は、その事実を歴史の影に閉ざした……

私の中では百合です。

括弧の中がGUMIパート(魔術師・民衆・歴史家)で、囲まれていない方がIAパート(女王)です。
女王はずっと王国を赦し続けているのですが、王国は赦しに気付いていないまま、千年の栄光の絶頂にある。
然し、いつか陰りが見えるその時にこそ、閉ざされた歴史を紐解けば、赦しの声が、「私は此処にいる」と呼びかけてくる……
考えようによっては、女王は永久に片思いなのかも知れません。
これは、そんな歌詞です。

閲覧数:476

投稿日:2015/01/26 01:23:21

文字数:2,036文字

カテゴリ:歌詞

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