プロローグ「夢か真か」
ーー「??」ーー
「う・・・・うぅ」
暑い、それに苦しい。息が荒くなってきた。状況を確認するために目を何とか開けた。辺りはへんてこな建物や奇妙な物がうようよとしていた。目の前には3人の女の人が立っていた。一人は髪が短くて、ショートカットな子でもう一人は髪が長くて頭に大きなリボンを付けていた。最後の人は髪型がセミロングな子だ。セミロングの髪型の子がそばに近づいて来て手を差し伸べてくれた。
「大丈夫?立てる?」
「は、はい。立てます」
立ち上がりここがどこなのか訪ねてみた。
「えっと・・・ここはどこですか?」
「はぁ?お前さっきの衝撃で記憶喪失にでもなったのか?」
「ここに来る前に話したでしょ?愛美さんを助けるためにって」
「そうよ〜、本当に大丈夫なの?心配だわ〜」
3人とも知ってるだろうと言う口調で話しかけてきた・・・この3人の事を知ってる?
「(いや、今考えても答えは出てこない。ここはこの状況を飲み込むしか・・・・)」
他の3人は怪我がないと分かってからすぐに歩き始めた。とにかく今は3人についていった。
「しかしまぁ捕まってるとはいえ、無事なのかしら?」
「愛美さんもああ見えて「魔法少女」の一人なんだから大丈夫だと思うぜ。」
「そうだといいんだけどねー」
「(「魔法少女」?それに「魔法少女」の一人って・・・私達も「魔法少女」なの?)
ますます混乱してきたけど今は深く考えずに3人に付いていった。
ーー「裏の世界」ーー
「ここが「裏の世界」か・・・」
「ここに愛美さんがいるのね」
「とにかく先ずは・・」
3人のうち髪型がショートカットの子が手から丸い光を放ち出した。それが一瞬にして少し長めの指揮棒に変わった。他の2人も同様にそれぞれの武器を出した。辺りには黒い人の形をした化け物がいた。それぞれ変な体制でこちらをずっと見ていた。
「初めての救出作戦だな」
「お互い頑張りましょ!瑠奈さん!!」
「はいよ!」
瑠奈と呼ばれた髪が長めの子と髪型がセミロングの子が同時に走り出して化け物の方に向かって行った。
「私達も頑張らなくては!!行くよ!」
「え?あ!はい!」
こっちは髪型がショートカットな子と一緒に戦うらしいが・・・
「(戦い方・・・・分からないよー!)」
戦い方が分からずどうしようかと迷っていると、横にいた子が指揮棒を指揮者のように振って何やら技を出そうとしていた。
「フルデッド・スペクト!」
指揮棒を振っていると空中に穴が無数に出てきてそこから大量のナイフや刃物系が飛び出して来て化け物の辺りを囲うように刃物系を操っていた。そして辺りを囲ったら指揮棒を一気に真っ直ぐに振り下ろすと囲んでた刃物系が一気に化け物の方に向かっていった。化け物は刃物系を食らうともがき苦しんで奇妙な声を放ち消滅していった。
「おっと!ったく!量が多すぎ!!避けるのもしんどいんだぞ!」
化け物と戦っていた2人は、刃物系を避けつつ化け物を退治していた。
「これだけの量を出せるようになったのね〜凄いわ〜!」
「感心してる場合かよ!言っとくが私らもこの攻撃食らうんだからな!避けないと!あっぶないだろ!」
「あちゃーやり過ぎかな?」
遠くの方で大丈夫かなと心配していた。
「(心配だけど私はどうすれば〜!!)」
あたふたしていると、横にいた子が話しかけてきた。
「どうしたの?あたふたして」
「え?あ、あの・・・」
「ん?」
「私って武器とかって・・・」
「武器は手を広げて少しだけ力を加えると自然と出るよ?もしかして武器の出し方とかも忘れたの?これはやばめの記憶喪失だね」
「ごめん・・・・」
「まぁー大丈夫!何とかなるよ!」
「身も蓋もない・・・」
「そろそろ片付いたかな?」
「ここには居ませんね〜・・ん?あれは?」
何やら誰かを見つけたらしく、髪型がセミロングの子が指を指した。そこには黒い服装をした女の子が歩いていた。どうやらこっちの方に向かって来ている。
「!?あれは!!」
「ん〜?・・・愛美さんじゃあないの!」
「・・・・」
「あっちで誰かがいる!2人の方に行って合流しよう!」
「う、うん」
2人の方に向かって走って行った。
「何かあったのか?」
「あー、愛美さんがいたぜ・・・でもよ」
「さっきから話しかけてもなーんにも返答しないのよね〜」
瑠奈と髪型がセミロングの子が服装が黒い子に近づいて行こうとしたその時、この子がいきなり指を鳴らした。すると地面から大量の化け物が現れた。
「始末して頂戴」
「愛美さん!何を!?」
いきなりなので4人は驚き、すぐさま逃げたした。
「愛美さんはもしかしたら!」
「えぇ!先ずは体制を整えるために一旦逃げましょ!」
「ほら!早く!」
「ま・・・待って!ってキャ!!」
転んでしまい、足に怪我をしてしまった。
「いてて・・・待って!」
「ちょ!?不味い!!後ろ!」
「え?」
思わず後ろを振り返ってしまった。後を見ると、こっちの方に向かって黒い大きな手が襲いかかってきた。食われてしまうかと思い。恐怖で足が動かなかった。
「避けて!!」
「危ないぞ!!」
瑠奈とセミロングの髪型の子2人が、助けようと向かってきた。しかし間に合わない、すぐ近くには黒い手が。
「あ・・ああ・・・・あ!!」
声すらも出なくなり目をつぶり助けてと祈った。
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