S0
愛したげる　愛したげる
愛したげる　私
愛したげる　愛したげる
本当よ

愛したがる　愛したがる
愛したがる　あなた
愛したがる　愛したがる
繰り返し

A1
出所は秘密よ
ねえドキドキしてる
月の光翳した
種ひとつ

初めての恋する
素敵に実らせる
どんな王子様に
会えるかしら

B1
軽くキスをして
すぐに飲み込むの
苦く悲しく閉じた目に
浮かんだ涙を
優しく拭った
あなた

S1
「ずっと逢いたかった」って
大事にしてくれるって
夢見がちな体を
抱き寄せられ

訊き返せば頷いて
胸の鼓動早くなる
何処か深く
芽吹きを感じている


A2
友達には内緒
手紙すら出さずに
棘の無い世界で
生きてゆくの

水はちゃんとあげる
だからどうか側に
跪くあなたは
「もちろん」と言う

B2
視界　澄み切って
香り　濃くなって
覚醒してく蕾みたい

きつい蔓にほど
惹かれてくのだと
分かる

S2
言葉無しに倒され
夜の風が吹き荒れ
「好き」と「居て」と
願われて蕩けてく

命じるたび笑顔は
雨のように注がれ
所知らず乱れ咲く
薔薇になる

愛したげる　愛したげる
愛したげる　私
愛したげる　愛したげる
何度でも

愛したがる　愛したがる
愛したがる　あなた
愛したがる　愛したがる
酔い痴れる


C1
無垢な行為重なれば
欲満たす花園
鏡の中首を振る
私の声届かない
もう

D
次々飲み込む
種で繋いで
温もり　譫言
私の名前　呼んで

S3
「ずっと逢いたかった」って
大事にしてくれるって
育てあった花びらを口移す

訊き返せば頷いて
胸の鼓動速くなる
蜜の中に沈みたい
永遠に

愛したげる　愛したげる
愛したげる　私
愛したげる　愛したげる
独りきり

愛したがる　愛したがる
愛したがる　あなた
愛したがる　愛したがる
パラノイア




【譜割り・()は一音分】

S0
(あい)したげる
(あい)したげる
(あい)したげる
わたし
(あい)したげる
(あい)したげる
ほんとうよ

(あい)したがる
(あい)したがる
(あい)したがる
あなた
(あい)したがる
(あい)したがる
くりかえし

A1
でどころは
ひみつよ
ねえどきどき
してる
つきのひかり
かざした
たねひとつ

はじめての
こいする
すてきに
みのらせる
どんなおうじ
さまに
あえるかしら

B1
かるく
キスをして
すぐに
のみこむの
にがく
かなしく
とじために
うかんだ
なみだを
やさしく
ぬぐった
あなた

S1
ずっと
あいた
(かっ)たって
だいじ
にして
(くれ)るって
ゆめみがちな
からだを
だきよせられ

ききかえせば
うなずいて
むねの
こどう
はやくなる
どこか
ふかく
めぶきを
かんじている


A2
ともだちには
ない(しょ)
てがみすら
ださずに
とげのない
せかいで
いきてゆくの

みずは(ちゃ)んと
あげる
だからどうか
そばに
ひざまずく
あなたは
もちろんと(いう)

B2
しかい
すみきって
かおり
こくなって
かくせいしてく
つぼみみ(たい)

きつい
つるにほど
ひかれ
てくのだと
わかる

S2
ことば
なしに
たおされ
よるの
かぜが
ふきあれ
すきと
いてと
ねがわれて
とろけてく

めいじ
るたび
えがおは
あめの
ように
そそがれ
ところ
しらず
みだれざく
ばらになる

(あい)したげる
(あい)したげる
(あい)したげる
わたし
(あい)したげる
(あい)したげる
なんどでも

(あい)したがる
(あい)したがる
(あい)したがる
あなた
(あい)したがる
(あい)したがる
よいしれる


C1
むくなこうい
かさなれば
よく
みたす
はなぞの
かがみのなか
くびをふる
わたしの(こえ)
とどか(ない)
もう

D
つぎつぎ
のみこむ
たねでつないで
ぬくもり
うわごと
わたしのなまえ
よんで

S3
ずっと
あいた
(かっ)たって
だいじ
にして
(くれ)るって
そだて
あった
はなびらを
くちうつす

ききか
えせば
(うな)ずいて
むねの
こどう
(はや)くなる
みつの
なかに
しずみたい
えいえんに

(あい)したげる
(あい)したげる
(あい)したげる
わたし
(あい)したげる
(あい)したげる
ひとりきり

(あい)したがる
(あい)したがる
(あい)したがる
あなた
(あい)したがる
(あい)したがる
パラノイア