逃げも出来ず何も守れない
出来損ないな戦士の私
灰色石レンガの建物 息苦しく並んでる
木々の影に消えてしまいたく
慣れたケモノ道を進んでた
小鳥に耳を澄ましていたら 浅い息が聞こえた
赤い血流して今にも消えそうな化け物
剣振り上げた私を
全てあきらめた目で見つめた
「きっと死ぬためだけの命じゃないはずだ」って
私 剣を落としていた
川に映る 化け物みたいな
歪んだ顔 眺める私の
背中叩き 人のカタチした魔物は翼広げた
地面蹴って 背中支えられ
広い空へ 白い雲切った
景色流れ「自由な鳥になるのが夢だった」と言った
「同じなんだね」と魔物は微笑んだ
少し寂しい気持ちに手を振り
泥で汚れた靴で町の石畳を踏んだ
いつまでも続いたのならばと
私 勝手に夢を見ていた
同じ色の服 まとう人々に
手掴まれて終わりを知った
彼は悪魔で私は魔女だ
口々に叫ぶ罵詈雑言に
石畳の上 押さえつけられて
じわり血の味 悲しくにじむ
手を振り払い 町を抜けて
森の隙間を走って走れ
木々の向こう側 槍が向けられる
中心に彼が見えた
魔物と槍のいびつな隙間
飛び込んで腕を広げて立った
背中 暖かい彼の手が触れて
赤い翼で 2人飛んだ
〜読み方〜
にげもできず なにもまもれない
できそこない なせんしのわたし
はいいろいし れんがのたてもの
いきぐるしく ならんでる
きぎのかげに きえてしまいたく
なれたけもの みちをすすんでた
ことりにみみ をすましていたら
あさいいきが きこええた
あかいちながして いまにもきえそ
うな ばけもの
けんふりあげたわたしを
すべてあ きらめた めでみつめた
きと しぬため
だけのいのちじゃないは
ずだあて わあたし けんをおとしていた
かわにうつる ばけものみたいな
ゆがんだかお ながめるわたしの
せなかたたき ひとのかたちした
まものはつば さひろげた
じめんけえて せなかささえられ
ひろいそらへ しろいくもきった
けしきながれ じゆうなとりにな
るのがゆめだ たといいた
おなじなんだねと まものはほほえんだ
すこしさびしいい きもちにてをふり
どろでよごれたくつで
まちのい しだたみをふんだ
いつまでもつづ いたのならばと
わたしかあってに ゆめをみていた
おなじいろのふく まとうひとびとに
てつかまれえて おわりをしいた
かれはあくまで わたしはまじょだ
くちぐちにさけぶ ばりぞうごんに
いしだたみのうえ おさえつけられて
じわりちのあじ かなしくにじむ
てをふりはらい まちをぬうけて
もりのーすきまを はしいてはしれ
きぎのむこうがわ やりがむけられる
ちゅううしんに かあれがみえた
まものとやりの いびつなすきま
とびこんでうでを ひろげてたあた
せなかあたたかい かれのてがふれて
あかいつばさで ふたりとんんだ
背中越しの翼
えーてるPさんの作品(http://piapro.jp/t/-RG-)に応募させていただいている曲です。
「私」と魔物の年齢は17、8くらいに設定して書いています。
「私」は森で魔物と出会います。
そして、生きようと足掻きすらしない魔物に、消えてしまいたいと願う私を重ねて助けてしまいます。
それから森に行くたび、魔物と話をするようになった私。
ところがある日、その事が町の人々に知れてしまいます。
私は町から逃げ出し、魔物のもとへ。
すでに魔物は人間達に囲まれていて、私は魔物を守る為、間に飛び込みます。
その時、背中に魔物の手が触れて…
…これから先は二通りあります。
血を流しながらも、魔物の翼で2人は無事に逃げ出せるエンド。
槍で2人は突き刺され、返り血が翼のように広がる。2人の魂は空を飛んだ、というエンド。
どちらなのかは、ご想像にお任せします(`・ω・´)
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