あぁねぇちょっと
僕とお話しようよ
さてなんの話をしようか
拍手と手拍子の違いでも話そうか
この前ふと疑問に思ったからさ

いいよ
なんて君は優しいね

僕が提供する話題はいつだって
誰にだってつまらないと言われてしまうものさ

そうだねこの話が終わったら次は
空が1番綺麗な時間帯の話でもしようか

ずっとふたりでくだらない話をしようか


あぁねぇちょっと
ちょっと聞いてくれよ
家で嫌なことがあったんだ

良かれと思ってやったことが
誰も理解してくれないんだ
理解しようとしてくれないんだ

僕が頑張って説明してるのに
みんな「言い訳だ」っていうんだ

きっと「理由」と「言い訳」
の違いの説明を求めても
はね飛ばされてしまうんだろうね

きっとみんな僕のいうことは
頭に落ち葉をかけられたみたいに
首を降らずには居られないんだろうね

「例えの意味が分からない」？

そうだね僕の例え話はいつだって
誰にだって理解されないものさ

でも君はそんなこと言いながら
本当は理解っているんだろう？
「どうして分かったのか」って
まずそのにやけ顔を何とかしてから言いなよ

まぁいいよ
でもまぁいいよ
君のにやけ顔が僕は好きだからさ

ずっと僕の話を分からないでいてよ
みんなと違う君でいてよ


あぁちょっと
ねぇちょっと聞いてくれよ

さっき数人に「例え話」をしてきたんだ
そしたらみんな「すごくわかる」
って言ったんだ

でもさ僕には分かるんだ
それが嘘だって
バレる嘘つくくらいなら
いっそ意味わかんないって
言ってくれた方がマシだよね

きっと嘘ついて僕をたてる事が
“優しさ”とでも思ってるんだろうね

ねぇ君はずっとそのままでいてよ
ずっと僕の話を興味なさげに聞いていてよ
僕の話が理解らないフリをしていてよ

…話すことがなくなったね

じゃあもう帰ろうか
綺麗な夕焼けを横目に
2人で帰路につこうか

そしてまた明日
くだらない話をふたりで

ずっとくだらない話をしていようか