ゆきをあるいたよ
たくさんの雪がつもったよ
よるのまちにつもったよ しんしんと
ぽたりぽたり血をこぼしながら
わたしはゆきをあるいたよ
もう誰も責めなくていいんだね
自分を傷つけなくていいんだ
誰かの邪魔にならなくてよくなるんだよ ねえ
白い雪を踏みしめた
誰もわたしを救えない
ごめんね ごめんね
わたしは誰も救えない
たくさん雪がつもったよ
背中から雪に倒れた
雪はやわらかくて
優しかったよ
そのまま私は眠った
頬を伝わる雪の粒
そっと目を開けた
たくさんゆきがふっていたよ
寒かった
痛かった
苦しかった
寂しかった
死に損なった悲しみが
どうしてか愛しくて
私は涙を零したよ
たくさん雪が積もったよ
よるのまちにつもったよ
ぽつりぽつりと流れる涙
わたしの足跡
ひとつひとつを残して
ゆきをあるいたよ
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