虹色にくすんだ世界inst

車の排気ガスが僕らの酸素だった。
煙草を吸ってクスリをやって、僕らは生きてた。
身体ん中身なんてどうでもよかった。
いま僕が生きてりゃ、それでよかった。

きっと僕らいつかはボロボロになって
苦しみながら死ぬんだろう。
それでも僕らこの街を逃げないで、　
このまま死へと歩くだろう。

そうするしかないからね。
そうするしか、ないからね……。

僕らは何度も引き金を引いたけど。
何一つ倒せなかった。
戦う意味を失ったあの日、
僕らはこの街にいることを決めた。

いきなり一人が消えた。
少しの痕跡も残さずに。
それから何人もが消えた。
僕らはこの街に残された。

僕はこの街を出ることにした。
灰色に輝くこの街を。
黒くて重い鞄を捨てて、
この街に背を向けたんだ。

虹色にくすんだ世界へと。

もしかしたらそっちで会うかもね。
そのときは笑いあって擦れ違おう。
「お前ここにいたのか」って。
「お前もここに来たのか」って。

水増しされた希望で乾杯して
薄いねって笑いながら飲もう。
それから全ての失ったもののために静かに祈ろう。

目をつぶって祈ろう。