叩いたノックの音が
やけに響いて聞こえた
「誰か開けてくれ」なんて
自分から出ようともせず
人に頼っているばかり

真っ赤な花を1つ
水面に映る月の上に浮かべて
「みて、紅い月」なんて
独り言言ってみたり
夜空見上げて星をみたり

夢の話でもしようかな
誰かがそこにいる訳じゃないけど
誰かに教えるように話してよう

月の中兎は笑うの
幸せいっぱいの笑顔で
同じ場所で笑い会う事はできないけど
縮まる事のないこの距離で
小さな声で会話したの

ノックの音が聞こえた
さっきより少し大きい音
「飽きない人だな」なんて
思っていても動かない
面倒くさいもの

水の中で泳ぐ魚は
水面に映る月に向かって
「月に触れたよ」なんて
嬉しそうに泳いでる
なんて感想を言えばいいのかな

夢の話は止めにした
誰かがいる訳でもないのに
誰かいるかの様に話すなんて

月の中の兎は笑った
お前馬鹿じゃないのかと
「ああ、僕は馬鹿だよ、馬鹿じゃないけない?」
お互いに見つめあったまま
何も言わなくなっちゃった

誰もいない部屋で
独り言呟いて 
言葉が空気に溶ける瞬間を
楽しんでいた自分がいたのだった。

月の中の兎は遠い所で
今日も上から見下ろしてくる
いつもお仕事ご苦労様って言ったら
「別に苦じゃないから」
と言いながら照れていた

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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独りの夜

閲覧数:44

投稿日:2009/12/14 21:45:26

文字数:560文字

カテゴリ:歌詞

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