これは、私とカイトがまだ一緒だった頃の話。
「マスター、お茶入れてきますけど、何かリクエストないですか?」
「・・・アールグレイ・0,5B・レモン・普通のマグカップ」
カイトの言葉に、キーボードを打ちながら呟く私。
「・・・・0,5B?半分だけBLですか・・・?」
「半分ブラックで、半分ミルク入れてっていう意味だと思う」
「あ、この本に書かれていたんですか」
カイトは、キーボードの横に置かれていた、『お茶とビスケット』という本を手に取る。
「・・・あの、1つ聞いていいですか、マスター」
「何?」
私は手を止めて、カイトを見る。
「それって、リーマン予想ですよね」
「ああ、この本?まあね」
私は、マウスの横に無造作に置かれていた本を見る。
「リーマン予想ってのは、一言で言うと、・・・あー、何だろう。素数の数列の規則性についての問題なんだよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「まぁ、世界に7つぐらいある難問の中でも、特に難問と言われているから、分からなくて当然だよ」
「そうですね・・・」
「ちなみに、」
私はこの後、カイトがどういう反応をするか楽しみにしながら言った。
「それらには、一番最初に解明できた人に、百万ドルの賞金が出るんだよ」
「・・・にゃ」
カイトの目が変わる。やっぱり私の思った通り、・・・ほんと可愛いなー、何でそんなに可愛いんだろう。そう思った時、
「・・・・・・・・・やっぱり、いいです。僕は、貴女にしか釣られないんですよ」
「・・・え、ちょ、それってどういう意味」
なんか、聞き逃せない単語があったような・・・。私はため息をつく。
「でもマスターなら、分かりそうな気がするんですけど」
「あはは、世界各国の一流数学者達が一生懸命、何年もかけて取り組んでるんだよ?・・・あ、でも」
「・・・?」
「数学、特に数論っていうのは、多方面から問題を見なきゃいけないから、そうだねぇ、やってみる価値はあると思うよ。大事なのは、ひらめきとか直感力、あとは発想力とか」
「マスターは、やらないんですか?」
「・・・・うーん」
「必要でしたら、夜食とか作りますけど」
「え、いいよ。夜は、ちゃんと寝るし」
「そうですか」
「数論とか色々見るのは楽しいし、興味深いんだけど、あくまでも趣味だから。本業にする気はないよ」
「本業・・・僕ですかw」
「あー、そうだねー」
「ちょ、何で棒読み口調なんですか」
「だって、本業がカイトって、意味分かんないもんw」
「・・・だったら、マスターの本業は何ですか?」
「それは・・・、」
私は、少し考えて、
「考えること」
って、にっこりして言った。
「・・・考えること、ですか」
「そうだよ。一番いいのは、難しく思う分野に関する本の中から、比較的易しい本を選んで読むってことかなぁ。そういう本って、文章とかはほんと読みやすいんだけど、内容はしっかりしたのが大半だからねー」
「ほぇー」
「カイトも読んだら?色んな本」
「・・・マスターが打った文章読んでる方が、僕は好きです」
「・・・・・カイト」
少し予想外な返答に、私は目を丸くさせるも、
「・・・っていうか、いつの間に私のパソコン勝手に触ったの?」
「マスターがいない時に」
「油断も隙もないなー、カイトはー」
涼しげなカイトに、私は思わずぼやく。
「ところで、お茶入れてきますね」
爽やかにそう言って、部屋からカイトは出て行ったのだった。
私とカイトの回想記。(2つ目・少し難しい本)
こんにちは、最近図書館に入り浸りな毎日ですが今日はちょーと用事があったもので行かれなかったもごもご犬ですこんばんは!
確か明日も行けない・・・。だってレポート書かなky((
今回も、マスカイです←
いつになったら例の作品完成するんじゃああああああ!!・・・と、誰かから怒られそうです(笑)
ふざけた言葉はさておき、今月中には多分投稿は可能かと・・・、とりあえず、楽しみに待ってて下さいね!><
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