開け放した窓の中  はるか空の向こう
僕らを見透かすような揺らぐ月の陰り
この儚くも止めどない一人きりの夜を
ふとした瞬間に噛みしめていたくなったのに

目を向けずにいられない晩秋の麗月に
忘れることの出来ない歌を口ずさんでいた


抜け出した羽のように映る街の灯り
コイン一枚の価値さえないと躊躇う君の指
ただ暗いだけの十二時に鳴り響くベルが
飛び乗る君の笑顔も残像も連れ去ってしまう

鮮やかに浮かんでいる晩秋の麗月に
君という星の光が埋れてしまわぬように
世界から切り取られたこの部屋の片隅で
そちら側へ届けようと もがくほどに叫ぶ


月の光を照明に 静寂を観客に この闇を舞台に
舞い踊る君を想い描いてる
忘れられないでいる
その姿も横顔も歌声も


声をあげずに泣いている月光を言い訳に
眼を背けて君を見失う僕を慰めようと
目を向けずにいられない晩秋の麗月に
忘れることの出来ない詩を口ずさんでいた
闇の中霞んでいく残酷な街並みに
君のいない日々に慣れていく僕の
弱さが滲む



目を向けずにいられない

目を向けずにいられない

目を向けずにいられない
晩秋の麗月に

君にも同じなら 

僕のこの祈りが反射して
君に届けばいいな

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

麗月

詞書いたのは春先です

曲書いたのが冬だったのでその名残

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投稿日:2008/06/07 02:06:35

文字数:524文字

カテゴリ:その他

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