「あれ? もう決まったんですか? すごく早いですね」
散らばっていた3つのグループが戻ってきたことに対して、全く驚きを隠そうとしないムウ。
「俺たちの厳選した1枚はすごく自信あるぜ」
「ウサたちの方が絶対いいよー! うー!」
「優勝するといいねー、ウサちゃん」
アカイトをスルーし、ウサに笑顔を見せるムウ。
「・・・」
「これぞ、報われない典型人よね!」
「典型人って、なんだわん?」
「採点の祭典のスペシャルで言ってたよね」
「その番組見ようと思ったけど、見逃しちゃったわんよー」
ナエルとワンは盛り上がる。
「1度きりの放送ー! うーうーうー!!」
「視聴率アップのためですからね」
ウサとノームが言う。
「「終わった番組は振り返るな! というわけで今から、1グループから厳選写真1枚を発表しましょー!!!」」
ムウとフワは割り込んで、進行する。
「俺たちの写真は、ギルの疑問符で埋めつくされた表情だ」
「とっても可愛いんですよ!w」
アカイトの言葉に、ナナも言う。
「その写真は誰が撮・・・あ、ナナちゃんが撮ったんですな」
ムウはナナからカメラを受け取り、フワと一緒に見る。
「どれどれど・・・って、えっ」
「可愛いですね~♪」
「・・・もらって帰ってもいいですか」
「真顔でお持ち帰り宣言はだめですよ~、ムウさん。今は発表&審査の時間なんですから~♪」
「こっそりプリントアウトしとこうっと」
「だめですよー」
フワは言って、ムウからナナのカメラを手早く素早く取り上げる。
「とっても可愛らしい1枚でした、ありがとうございます~♪」
「お礼はギルくんに」
「え、俺は優勝できればいいからな! そんなお礼なんて・・・」
ふいっとそっぽを向くギル。
「ギルくん可愛いですなー・・・って、フワさん引っ張らないでよー」
「はい次、2グループですよ~♪」
ムウの抗議をスルーし、引きずるフワ。見た目に似合わず、結構の力持ちである。
「私たち2グループの中で選んだ1枚は、ウサちゃんが撮った写真です」
「これ見てー! ウサのとっておきー! うーうー!!」
ピノの言葉に、ウサは自分のカメラを司会2人に渡す。
「へー。猫さんが丸くなって寝ている写真ですねー、はい」
「あれ? ウサさんのくつを枕にしていますね~??」
「だから猫さんを起こさずにその場を離れるのは、ちょっと大変だったー! うー!」
「ああ・・・想像するだけでも十分可愛いですなー、にゃっはっはー」
「勝手に妄想という名の想像をしないで下さい」
ムウからウサのカメラをさっさと取り上げて、ウサに返す。
「なかなか良い写真でした、ありがとうございます~♪」
「どういたましてー! うーうー!!」
「・・・どういたまして、ではなく、どういたしましてですよ、ウサさん♪」
「あー! そうだった!! ウサの失態見ないでー、うーうー!」
「ギルくんもそうだけど、ウサちゃん24時間以上眺めていたいですなー、はいよー」
「次から気をつければいいだけですよ、ウサさんw ・・・さて、ムウさん次行きますよ」
ウサにはにこりとして言ってから、ムウを無表情で引きずる。
「えー、私もう飲めなーい」
「・・・」
ムウの小ボケをスルーすることで、無意味化するフワなのだった。
「えーと、3グループの厳選した1枚は、セトさんがシキくんに手伝ってもらって撮った写真です」
「知ってますよー。2人の愛のあか・・・協力の証だって」
「もうムウさんは黙ってて下さい☆」
ジミの言葉にムウは呟き、フワはふわりと言った。
「えー」
「だって、ムウさんが何かをしゃべるたびに余計な行と時間がかかるんですよー??」
「・・・私の言葉は余計じゃないはず!」
「もういいです。・・・では早速その例の写真を見せて下さい~♪」
「例の写真といえば例のブツ! なんてね!」
「なんてねダジャレ好きー! でもダジャレでもなんでもないよー? うー??」
ムウはウサを巻き込む。
「・・・」
セトからカメラを受け取ったフワは、2人の方を見て、
「ウサさん、とっても可愛いですし、疑問ツッコミも冴えてますね~♪」
にこりとして、ウサだけに向けて言った。
「ムウさん、審査しますよ」
「はいはい分かりましたよー」
ぶーぶー言いながら、フワの隣に行くムウ。
「どれどれど・・・お! これはきれいに半分こされてますね、はい」
「上半分はブルースカイの空、下半分はモノクロなパズル川ですね~♪」
「え、これは不思議ですなー」
「素晴らしい写真でした、ありがとうございます~♪」
フワはセトにカメラを返す。
「今年の対決はどのグループもハイレベル・・・ちがうな、ハイハイレベルですな、フワさんや!」
「そうですね、ハイハイレベルですね~♪」
「やっぱり司会2人は仲良しよね!」
「そうだわんねー」
ナエルとワンは言った。
「さて、今年のコンセプトは手早くお手軽に、なので「「もう結果発表ですよー!!」」
思いっきり叫ぶムウとフワ。
「「3グループともなかなか良かったですが、その中で最も良かったのは・・・」」
黙り込むタイミングが同じな司会2人。みんなは、息を潜めて司会2名を見ていた。
「「・・・やはり、1グループのギルくんの写真でしたー! よって、優勝は1グループです、おめでとうございますー!!!」」
「やったーです! ギルくん良かったですね!」
そう言って、ばしっとギルを叩くナナ。
「いてっ! ・・・ま、まあ、優勝できて良かったぜ、いたた・・・」
痛がりながらも、嬉しそうにギルは言った。
「ちなみに、優勝すると何かもらえないのか??」
「優勝できただけでも良かったじゃないか?」
アカイトの言葉に、バンは呟く。
「そうですよー、全く。アカイトが考えることはそういうことばっかりなんだからー。だから空気読めないんですよ、にゃは」
「ではギルくんにしましょうか」
「そうですなー。ギルくんだけが頑張ったわけじゃないけど、ギルくん可愛いので選びました、はい」
「・・・そういう裏事情は軽々しく言わないで下さい、ムウさん」
「え? 俺に何か用かー??」
ギルがとてとてと司会2人のところへ。
「この写真対決に勝ったので、ギルくんのお願いを叶えたいなと思いまして~♪」
「お願いかー。・・・俺1人だけ得するのはだめだよなー」
「フワさんや」
考えるギルを横に、ムウはフワを見る。
「今すぐさらってもいいですか、この子」
「そんなのだめですよ。すぐに分かることでしょう?」
「・・・そのフワさんの笑顔が怖いような」
ムウは目を逸らす。
「あ! そうだ!!」
「決まりました?」
声をあげるギルにフワはふわりと声をかける。
「来年の対決は肝試しがいいぜ! ちなみに、きゃーきゃー言ったら負け!みたいなルールもあるぜー」
「あー、いいですねそれー」
「でもいいんですか?」
フワは念押しする。
「いいぜ。・・・それに、リウとかルナとかナナとかの反応を見てみたいからなー」
「・・・あの」
ナナが手を挙げる。
「はいなんでしょう?」
「はいなんだろなー」
「その肝試し対決・・・もちろんギルくんも参加するんですよね?」
「!?」
「あら何ですかギルくんその反応は。スモールアニマルズはギルくんもいないとだめですよ? スモールアニマルのままですよ??」
「・・・3人いるから十分スモールアニマルズだろ!」
「・・・分かりました」
ナナは何かを決めたような表情で、ムウとフワを見る。
「ギルくんも参加すべきですよね?」
「「そうですよ! 参加すべきですよー!!」」
「なああ!??」
「ということで、もう決定しました。やはり、スモールアニマルズにはギルくんは不可欠なんですよ。ね? リウちゃんとルナちゃん?」
「ギルがおびえる表情も見てみたいからなー」
「大賛成! みじんも反対なし!!」
「えええ・・・」
ギルはだんだん元気がなくなってくる。
「「それで、残念ながら負けてしまった2グループと3グループは着ぐるみを着て、着ぐるみフィスティバルin夏祭りに参加してもらおうと思います!!!」」
「ええ・・・?!」
「着ぐるみって、何でもいいんですか??」
驚くピノの隣にいたジミは呟く。
「「いいですよ!」」
2人一緒に答える司会2名。
「「今、午後4時01分ですから、大体1時間程で負けてしまった2つのグループは着ぐるみを着て、またこのバンさんの研究所に戻ってきて下さい! ・・・くれぐれも、家出・・・

じゃなかった、研究所出はおやめ下さいね!!」」
「造語も冴え渡るおねー」
「そうね」
テトの近くにネルはやってくる。そんなネルに、
「・・・負けちゃったおね。着ぐるみどうするだお??」
「平気よ、別に。・・・そうね、着ぐるみはあれにするわ」
「何だお?」
「それは教えてあげないんだから。じゃあね」
ネルはそう言って、続々と外に出ていくみんなの後を歩いていったのだった。



ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【亜種コラボ長編・後編(下)】 今年の夏は写真対決で決まり!

こんばんは、もごもご犬ですこんにちは!
夏祭りの話どうしよっかなー。

次回も、お楽しみに!^^

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投稿日:2011/08/23 19:04:54

文字数:3,682文字

カテゴリ:小説

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